発表論文は別紙に示したとおりで、環境(水質)2編、耐震に関する解析4編の研究発表が行われました。
◆環境(水質)は
@草木ダムの下流水道事業者においてピコプランクトンによる浄化処理障害が確認されてから監視を行なっているピコプランクトンについて、栄養塩濃度との関係の整理結果と、曝気循環施設運転による対策に関する発表
Aダム貯水池におけるカビ臭現象の原因と考えられている藍藻綱ユレモ目によるメカニズムの解明と有効な対策を確立するためには、新たな分類同定手法の開発が重要となるため、今回、実際のサンプルを用いた新たな分類同定手法の検討や現場への適用の可能性等について
以上の発表があった。
これらの研究は水道原水の改善に役立つ技術であり、実用化に向けたさらなる技術開発が望まれます。
◆岩手・宮城内陸地震等を契機として、ダムの耐震に関する研究が盛んになっています。今回は
@2011年4月11日福島県浜通りの地震(M7.0)において強震動を受けた重力式コンクリートダム門柱の地震観測記録を用いた地震応答解析
A嵩上げ重力式コンクリートダムの施工過程を考慮した平常時の応力状態を踏まえ、大規模地震を想定した線形解析・非線形解析を実施し、堤体内応力状態の特徴や損傷形態の試算結果
B岩手・宮城内陸地震(M7.2)により荒砥沢ダムで観測された極めて大きな地震動について、FEMによる再現解析と堤体の動的応答の原因考察
C胆沢ダムの築堤材料の室内試験結果を用いて、等価線形解析と累積損傷解析を行い、岩手・宮城内陸地震による胆沢ダムの沈下量の再現解析についての報告
以上の発表があった。
大規模地震による耐震性能照査手法に関する基礎技術の研究は、ダム堤体の安全性の検討に寄与するものと期待されます。
当日の研究発表に対して、優秀発表賞選考委員会が会場内で開催され、慎重な審査の結果、優秀発表賞として次の1編が選定され、優秀発表賞選考委員会
大町委員長より賞状ならびに副賞が発表者に対して授与されました。
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