1.「ダムの来訪者やその利用実態に関する調査の高度化に向けて」
西日本技術開発株式会社 河川部 最上 友香子
近年、携帯端末の普及や通信技術の発達とともに、その位置情報取得や空間的な統計処理の技術開発が進み、空間・時間を連続的に捉えた人の流動状況の把握が可能となってきている。本研究では、ダムの来訪者等の調査について、ダム湖利用実態調査等における既存手法と新技術による手法の比較や、人流ビッグデータを活用した試行分析を行った。
2.「JWAモデルの改良とそのモデルを用いた川上ダム浅層曝気循環設備の配置・運用計画の検討」
独立行政法人水資源機構 木津川ダム総合管理所 管理課長 村田 裕
本研究では、ダム貯水池水質予測精度向上を目的として,既存の水質解析モデルに付随する浅層曝気循環設備による循環流等を計算するためのサブプログラムの改良、およびそれを用いて建設段階のダムにおける浅層曝気循環設備の効果的な配置計画と効率的な運用計画案の検討を行った。
3.「ダム天端で観測された地震記録の教師なし機械学習による異常検知に関する検討」
国土交通省国土技術政策総合研究所 河川研究部
大規模河川構造物研究室 交流研究員
傅 斌
本研究では,ダムで取得される地震記録のうち,堤体応答が反映される上部(天端)での観測記録をもとに,ダムの固有振動数の変化をできるだけ精度よくかつ見逃すことなく検知することにより地震後の安全点検に役立てることを目的として,教師なし機械学習の手法を活用した異常検知の適用性について検討した。
4.「効率的なダム運用を目的とした15日間アンサンブル降雨予測の活用可能性検討」
一般財団法人日本気象協会 社会・防災事業部 技師
木谷 和大
本研究では,ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)のアンサンブル降雨予測を用い、わが国の 55ダム流域を俯瞰的に眺めた場合の予測特性について解析を行い,洪水前の水位低下のより効果的な実施や無効放流の削減という観点から、効率的なダム運用を目的とした
15 日間アンサンブル降雨予測の活用可能性について検討した。
発表論文は、今後、ダムの安全管理、洪水調節、環境モニタリング等に寄与するものと期 待されます。
4編の研究発表に対して、優秀発表賞選考委員会による審査が行われ、優秀発表賞として次の1編が選定され、優秀発表賞選考委員会 乗京委員長より発表されました。受賞者には、後日、賞状ならびに副賞が郵送されました。
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