1.「パノラマ画像を用いた画像解析による打継面処理判定に関する検証」
安藤ハザマ 建設本部技術研究所 副主任研究員
野間 康隆
コンクリートの打継面処理の程度を自動判別するシステムを開発、実験場で取得した画像を用いてその適用性を検証し、処理の良否を判定できることを確認した。また、撮影した動画からパノラマ合成画像を取得し、それにより打継面処理の判定を良好に行うことが可能であること、さらに、パノラマ合成画像を使用することで、作業時間の大幅な短縮等、打継目処理判定の効率化が可能となることを示した。
2.「Twitterデータおよび人流オープンデータを活用したダム来訪者の観光動向分析」
西日本技術開発株式会社 河川部
於久 達哉
河川水辺の国政調査結果に掲載の来訪理由や潜在的な観光動向を分析するため、 Twitterおよび人流オープンデータを用い、テキストマイニングによるダム来訪者の観光動向分析を行った。それにより、ダムカードなどダム誘致の取り組みや国勢調査結果に挙げられたダム来訪理由がTwitterデータにも現れる結果が示され、また、人気漫画による観光効果等、国勢調査に掲載のない潜在的な来訪理由も把握することができた。
3.「ダム施設のより効果的な維持管理のためのリスク構造の可視化の試み」
国土交通省国土技術政策総合研究所 河川研究部 大規模河川構造物研究室
主任研究官
小堀 俊秀
ダム総合点検で得られる多様な情報をリスクマネジメントの観点からダムの維持管理により効果的に活用できるよう、リスク構造の可視化を通じ明確化する手法を構築した。その手法を玉川ダムで試行し、今後の維持管理における重点事項をその理由を含めてより明確に認識できることを示した。なお、この手法においては、施設管理者、専門家などが討議し共通の認識を見いだすリスクコミュニケーションの過程が不可欠といえる。
4.「川上ダムにおける管理の効率化に向けたCIMの構築について」
独立行政法人水資源機構 川上ダム建設所 管理課 課長
大高 英澄
川上ダムでは、地形、地質及び構造物の三次元モデルに施工管理情報等を付与した施工CIMを構築し、施工管理支援ツールとして活用してきた。現在、試験湛水後の管理移行を見据え、ダム維持管理の効率化に向けた管理CIMを構築中である。管理CIMでは、施工CIMの内容を継承するだけでなく、自動・手動取得されるダム諸量、各種観測・巡視データ等を一元管理・連携・可視化することで、維持管理の効率化・高度化を目指している。
5.「輝北ダムにおける WATER-PAM を用いたアオコの光合成活性の評価」
国立大学法人鹿児島大学 連合農学研究科 農水圏資源環境科学専攻
博士課程
曹 磊
ダム湖におけるアオコを抑制するために、強制的に水塊を循環させることで発生したアオコの活性を低下させるプロペラ式湖水浄化装置が導入されている輝北ダムにおいて、アオコの光合成活性の測定と現地調査を実施した。その結果、アオコを暗所に長期間おいても光合成活性がゼロにはならないこと、またアオコ採取位置により光合成活性の低下傾向に差異があること等が明らかとなった。
これらの発表論文は、今後、ダムの設計施工、維持管理、環境保全や地域活性化等に寄与するものと期待されます。
5編の研究発表に対して、優秀発表賞選考委員会による審査が行われ、優秀発表賞として次の1編が選定され、表彰式が行われました。表彰式では、優秀発表賞選考委員会
乗京委員長より受賞者に、賞状ならびに副賞が授与されました。
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