行事報告
「ダム基礎グラウチングに関するシンポジウム」の開催
平成23年10月7日(金)、東京都内で「ダム基礎グラウチングに関するシンポジウム」が開催されました。このシンポジウムは、産官学の技術者、研究者が一同に会し、平成15年の「グラウチング技術指針」改訂以降の施工事例、新たな技術開発やその適用事例等について技術共有するとともに、討議を通して今後の検討課題を明確にすることを目的に開催されたものです。
主催は、一般社団法人ダム工学会と独立行政法人土木研究所からなる共同実行委員会で、財団法人ダム技術センターの協賛を得て開催されました。
シンポジウムは午前9時半から始まり、開会式では共同実行委員会委員長であるダム工学会副会長の田中忠次(社)地域環境資源センター理事長が挨拶され、この後、キーノートスピーチとして国立大学法人岡山大学の西垣誠教授、(独)土木研究所の山口嘉一上席研究員、佐々木靖人上席研究員から、それぞれ「グラウチングの現状と今後の課題」、「ダム基礎グラウチングにおける最近の技術的課題」、「今後の水理地質構造調査に必要と考えられること」という演題の講演がありました。
午後からは、@設計・計画と合理化、Aグラウト材料と改良効果の評価、B実ダムの合理化事例研究という三つのテクニカルセッションで、11題の発表がありました。その内容は平成15年の指針改訂の主旨を踏まえた各種の合理化検討結果の報告、他分野における最新のグラウチング技術に関する研究報告、超微粒子セメントのさらなる細粒化(極超微粒子セメント)などの新技術に関する研究報告、グラウチングの改良評価に関する研究報告等、ダム基礎のみに限定されない幅広い範囲のグラウチング技術となりました。
最後に、(独)土木研究所の安部友則水工研究グループ長が閉会の挨拶を行い、シンポジウムは終了しました。
シンポジウムには、大学、官公庁、電力会社、ゼネコン、建設コンサルタント等から78名の方が参加し、キーノートスピーチや一般論文発表に対して活発な質問や意見の交換がありました。本シンポジウムは、ダム基礎グラウチングについて、大変有意義な成果を納め、所期の目的を達成して終了しました。
田中忠次共同実行委員長の挨拶
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