今年度のダム工学会北海道地区の「ダム現場見学会」を8月20日に開催しました。
見学地は昨年度に引き続き、国内初のCSG工法によるダム本体打設を行っている当別ダムです。当別ダムのCSG打設は9月上旬に終了予定であり、その最後の見学会であることから、募集当初参加申し込みが殺到し定員オーバーになるかと心配しましたが、何とか申し込みをお断りしなくて済んだ状況でした。また、ダム以外の公共事業として、滝川市と雨竜町を結ぶ「江竜橋」の架け替え工事も合わせて見学しました。
2年前から新たな試みとして、学生への公共事業の役割と土木の魅力を伝えることを目的としており、今年度は北海道大学から工学部のほか農業・法学部などの1・2年生約20名が参加しました。
札幌を8時30分に出発し、最初の見学地である「江竜橋」に予定どおり10時に到着し、架換工事1工区の小谷所長より、工事目的(老朽化・狭隘化の改善)を初めとして、模型を使った構造形式(8径間連続ポストテンション方式PC箱桁)の説明や工事工程等の概要説明を受けました。その後、施工中の橋梁施工状況として箱桁の内部まで見学させて頂き、学生はもとより、ダム関係者もなかなか見る機会がない良い経験を得ることが出来ました。
その後、昼食をとり、13時に当別ダムに向け出発しました。なお、学生達はダムの知識が少ないため、この移動時間を使い、ダムとは何か?を初めとして台形CSGの基本的なことの説明を行い、事前に基礎知識を得た上での見学が出来るよう配慮しました。
予定より30分ほど早い14時に当別ダム建設工事事務所に到着し、同事務所の会議室で見学に先立った概要説明を受けました。概要説明は、当別ダム建設事務所の中瀬係長からダムの目的、CSG工法採用に至る経緯、工事工程、進捗状況、施工方法等非常に丁寧な説明がありました。
15時、ダム右岸堤頂部の展望台に移動し、中瀬係長より母材採取からCSG打設までに至る施工方法等を眺望しながら聞きました。その後、JV担当者の誘導によりCSGプラントに移動し、CSGの連続製造工程を間近に見学、また、コンクリート試験室においては、CSG供試体(標準・大型)ならびに堤体から直接採取したコアを間近に見たほか、直接ハンマーで打つ事で硬さや音の変化を体で感じ取り、どの程度締め固まり、強度が出ているかを確認させてもらうことができ、特に学生達はこのような機会に恵まれて興味津々な様子で、JV担当者に色々と質問をしていました。
昨年度は堤体内までの見学が出来ましたが、CSG工法は高速施工が特徴であり、見学時には既に高標高部までダム本体が打ち上がっていたため、安全管理を配慮し堤体内に入ることは出来ませんでしたが、台形CSGダムの施工方法とCSGの品質検査にわたる見学は十分出来ました。
このように、「江竜橋」でお世話になりました日本高圧・ドーピー特定建設工事共同企業体の工事関係者の皆さん、「当別ダム」では当別ダム建設事務所の中瀬係長、鹿島・竹中土木・岩倉特定建設工事共同企業体の皆様におきましては、お忙しい中、丁寧な説明と現場案内をしていただき本当にありがとうございました。この場を借りて、お礼申し上げます。
1.開催期日:平成22年8月20日
2.実施場所:当別ダム、江竜橋
3.参加人数:60名
ダム工学会と北海道土木技術会との共催で実施しました。その結果、ダム工学会会員以外にも広く案内することができ、ダム工学会のPRと多くの参加者を募ることができました。
・大学教授及び助教授 2名
・札幌市 5名
・コンサルタント 17名、
・建設会社その他 18名、
・北海道大学 学生(1,2年生 工学部、農学部、他) 18名
4.見学状況写真
小谷所長による模型を使った解りやすい説明に
学生達も聞き入る。(江竜橋)
いざ出陣。仮設階段を上る一行。(江竜橋)
説明を聞く一行。
お天気に恵まれ、橋桁の上は気持ちが良かった。
(江竜橋)
橋桁の上で集合写真。(江竜橋)
見学地を当別ダムに移し先ずは概要説明を受ける一行。
(当別ダム)
スクリーン等を使っての詳しい説明をして下さる中瀬係長。
(当別ダム)
CSG供試体については多くの質問があった。
(当別ダム)
ハンマーで叩いてみる。音の違いを感じ取って硬さを比べる。
(当別ダム)
お疲れ様でした。ダムを背景にパチリ。
企業・学生合同の記念撮影(当別ダム)
|