ダム工学会 活性化推進小委員会
中部・近畿地区連絡会幹事
中部・近畿地区連絡会では、第3回中部・近畿地区現場見学会及び講演会を下記のとおり平成20年11月28日に大滝ダムで開催し、無事終了しましたので御報告致します。
当日は、10時に大和八木駅を出発し、講演会会場となるやまぶきホールに向かいました。会場にて、まず見学先を代表して紀の川ダム統合管理事務所の中村所長より、開会の挨拶を頂きました。また、大滝ダムの事業経緯や試験湛水中に生じた地すべりと現在取り組んでいる地すべり対策工の状況などについて事業概要のご説明を頂きました。
昼食後、京都大学大学院工学研究科西山准教授から「ダムに関連した委託研究成果の紹介」という演題で、御講演を頂きました。発信機と複数の受信機からなるモニタリングネットワークと3次元電子地図モデルを組み合わせた効率的な防災GISについてご講演頂きました。また、実地フィールドとして今回の見学先である大滝ダムの白屋地区における地すべりモニタリングの状況についてご紹介いただき、現地ではモニタリング用の受発信機の実機を見学することができました。
次に、大成建設白屋地区地すべり対策工事作業所の江田所長より、「白屋地区地すべり対策工事の押え盛土工事について」という演題で、御講演を頂きました。対策工法の進捗状況や押え盛土本体のCSG工法についてビデオを交えながら施工方法、品質管理方法などについてわかりやすくご講演いただきました。
講演終了後、白屋地区の地すべり対策工事現場へ向かいました。現場では、白屋地区と国道とを連絡する白屋大橋の上から、中村所長、江田所長より説明を受け、対策工事の全景を見学しました。工事は完成間近で、CSG本体工が完成し、中詰盛土工や上流縁辺部のグランドアンカー工を残すのみの状況でした。また、白屋地区と反対側の下流側には、今後、対策工の施工が予定されている迫地区の斜面も確認することができました。その後、排水トンネル工の坑口まで移動し、排水状況の見学を行いました。
白屋地区見学後は、大滝ダム本体へとバス移動し、クレストゲート見学とダム天端見学を行いました。ダム天端より下流側の連絡通廊に移動し、ダム下流右岸に設置されている計画水位維持放流設備の説明を受け、その後、計画最大放流量2,700m3/sに対応した我が国最大級のラジアルゲートであるクレストゲート本体を見学しました。ダム天端では、中村所長より、天端に突出物がないデザイン性や建設当時の仮設備についての説明を受けました。また、地すべり対策工事の水中工事を軽減する目的で極力貯水池水位を下げる必要があるために、現在はコンジットゲートを開放した状態で流入=放流の状態で運用しているなど、現在の貯水池運用も含めた丁寧な説明を受け、見学会を終えました。
当日は、参加者は事務局を含め51名で、皆様の御協力により、上記に示すように無事予定のスケジュールをすべて実施することができました。 また、紀の川ダム統合管理事務所、大成建設白屋地区地すべり対策工事作業所の皆様には、会場の準備や現地の案内をはじめ、多大なご協力を賜りました。ここに厚く御礼申し上げます。
1.開催期日:平成20年11月28日(金) ※日帰り
2.見学場所:近畿地方整備局 大滝ダム
3.講演会場:やまぶきホール
4.参加人数:51名
大学 |
国交省 |
水資源
機構 |
民間 |
学生 |
統計 |
4 |
14 |
1 |
25 |
7 |
51 |
5.見学会及び講演会の内容
項 目 |
時刻 |
内容 |
講師又は引率・説明者 |
開会挨拶・事業概要説明 |
11:30
〜12:00 |
大滝ダム建設事業について |
近畿地方整備局紀の川ダム統合管理事務所 中村所長 |
講演会1 |
12:30
〜13:15 |
ダムに関連した委託研究成果の紹介 |
京都大学大学院工学研究科
西山准教授
|
講演会2
|
13:15
〜14:00 |
白屋地区地すべり対策工事の押え盛土工事について |
大成建設株忠ョ地区地すべり対策工事作業所 江田所長
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現場見学 |
14:00
〜16:30 |
・白屋地区地すべり対策工事 現場
・大滝ダム本体(記念撮影)
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近畿地方整備局紀の川ダム統合管理事務所 中村所長
大成建設株忠ョ地区地すべり対策工事作業所 江田所長
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6.現地写真
写真−1 紀の川ダム統合管理事務所中村所長の事業概要説明
写真−2 京都大学大学院工学研究科西山准教授の講演明
写真−3 大成建設株忠ョ地区地すべり対策工事作業所江田所長の講演
写真−4 白屋地区地すべり対策工事現場
写真−5 白屋地区地すべり対策工事現場見学状況
写真−6 大滝ダム本体
写真−7 大滝ダムクレストゲート
写真−7 大滝ダムクレストゲート |