一般社団法人ダム工学会
 
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平成21年度 中国・四国地区 現場見学会及び講演会 開催報告

                
            ダム工学会 活性化小委員会
                           中国・四国ブロック事務局


 中国・四国ブロックでは、平成21年度の現場見学会及び講演会を、平成21年11月20日に殿ダムにて開催しました。
 当日は、大型バスにて岡山駅を出発し、鳥取大学前駅を経て殿ダムへ向かいました。
 見学に先立ち、殿ダム工事務所にて見学会団長、兼講師である鳥取大学の井上教授(会員)より開催挨拶を頂きました。その後、殿ダム工事事務所の花田工事課長より殿ダムが建設される千代川・袋川流域の特徴や事業の概要、ロックフィルダムの構造や施工手順等をご説明頂きました。あわせて、殿ダムで初めて採用されたカスケード型減勢方式の洪水吐き、中国地方整備局では3例目となる連続サイフォン式を採用した選択取水設備などの新技術をご紹介頂きました。
 次いで、殿ダム建設現場に移動し、花田工事課長のご説明の下で、ダム左岸側天端から現場全体を俯瞰しました。左岸天端からは上流の原石山での材料採取状況や、盛立材料の運搬から盛立に至る一連の流れ、カスケード型減勢方式の洪水吐きの全景、バッチャープラントなどが一望できました。ダム建設現場を初めて見学する参加者もおり、大型の重機が縦横に動き回るダイナミックなダム建設現場の様子に驚いている様子でした。また、花田工事課長や現場の職員の方々に熱心に質問する姿も見られました。
 次いで河床部に移動し、ロック、フィルター材料の盛立面とコア材の敷均し・転圧状況を見学しました。参加者からは、実際にコア材やフィルター材に触れ、粒度やコンシステンシーの違いを肌で感じることができ非常に良い経験となった、との感想を頂きました。
 見学後、殿ダム工事事務所へ戻り、井上教授より「コンクリート構造物の長寿命化にむけて」と題してご講演を頂きました。コンクリート構造物が保有すべき耐久性や安全性と設計上の余裕についての考え方、既存ストックが更新時期を迎えつつある中での維持管理の重要性等について、様々な事例を交えたご説明や、昨今の経済性・合理性最優先の風潮に対する意見など、大変興味深い内容でした。
 今回の見学会は鳥取大学・岡山大学から20名(うち、学生17名)の参加者があり、学官民の交流の場という面でも大変意義のある会とすることができました。
 見学会の開催に当たって、多大なご協力を賜りました殿ダム工事事務所の皆様、ご講演頂いた鳥取大学の井上教授、現場において安全確保等にご協力を頂きました鹿島建設株式会社の皆様方に厚く御礼申し上げます。


<平成21年度 ダム工学会中国・四国地区 現場見学会および講演会概要>


1.開催期日 : 平成21年11月20日(金)
2.見学場所国土交通省 中国地方整備局 殿ダム
3.講演会場 : 殿ダム工事事務所
4.参加人数 : 65名

大学
(うち学生)
財 団 国交省 民 間 合 計
20
(17)
1 4 11 29 65


5.見学会及び講演会の内容

項 目 時刻 内容 講師・引率・説明者
開催挨拶
殿ダム工事事務所にて
1225
  〜12:30
 

鳥取大学大学院
工学研究科
井上正一 教授

概要説明
殿ダム工事事務所にて
1230
  
1300
殿ダム建設事業の概要説明

殿ダム工事事務所
花田弘幸工事課長

殿ダム工事現場見学

1310
  
1440
左岸天端広場→河床部→本体盛土面 殿ダム工事事務所
花田弘幸工事長
講演会
殿ダム工事事務所にて
1530
  〜16:00
コンクリート構造物の長寿命化にむけて 鳥取大学大学院
工学研究科
井上正一 教授

 ※本見学会は、土木学会認定CPDプログラム(3.0hr)です。


6.見学会および講演会の様子


写真-1 殿ダム工事事務所 花田工事課長による概要説明




写真-2 左岸天端広場での見学状況


 

写真-3 国内初のカスケード型減勢方式による導流・減勢部




写真-4 コア盛土の見学状況




写真-5 鳥取大学大学院 井上教授 講演状況


 

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