ダム工学会　九州地区連絡会幹事

　ダム工学会九州地区連絡会では、今年度で5 回目となる現場見学会および講演会を、去る平成21 年11 月13 日に「国土交通省九州地方整備局嘉瀬川ダム」、「佐賀県井手口川ダム」において開催致しましたので、ご報告申し上げます。
　当日はあいにくの雨模様となってしまいましたが、大学（5 名）・官公庁（11 名）、民間（29 名）と幅広い参加者での開催となりました。
　午前の部では、まず、ダム工学会九州地区連絡会会長である九州大学大学院 大塚教授よりご挨拶を頂き、社会資本整備の大切さおよびそれに従事する技術者の心構えについてのご意見を賜りました。その後、財団法人ダム技術センターの島本上席主任研究員より「大規模地震に対するダム耐震性能照査について」と題してご講演を頂きました。現行のダム耐震基準や大規模地震に対するダムの耐震性能照査の方法について貴重な説明を頂きました。引き続き、嘉瀬川ダムの施工者である鹿島・青木あすなろ・松尾特定建設工事共同企業体の林所長より「嘉瀬川ダムにおける巡航RCD 工法の紹介」と題してご講演を頂きました。嘉瀬川ダムにおいて施工効率の向上を図るために採用されている工法について、スライドやビデオを用いてわかりやすい説明を頂きました。
　午後の部では、バスで講演会場から嘉瀬川副ダムに移動し現場見学を行い、その後、井手口川ダムまで移動し現場見学を行いました。
　嘉瀬川ダムでの現場見学は、まず、台形CSG ダムである副ダムの施工状況を左岸側より見学し、施工者である西松建設の沖田副所長より施工状況や施工方法についての説明を頂きました。その後、CSG 製造プラントまで移動し、九州地方整備局嘉瀬川ダム工事事務所の遠山課長より事業概要やCSG の品質管理についての説明を頂きました。
　井手口川ダムでは、現場見学に先立ち、佐賀県伊万里土木事務所の原主幹より事業概要の説明、戸田・中野・中島特定建設共同企業体の佐藤所長より施工概要の説明を頂き、建設技術研究所より設計・地質の概要説明がありました。その後はダムサイト右岸側にある見学台からダムの全体を一望し、さらに右岸基礎岩盤の観察を行い、堤体施工現場に向かい施工の様子を見学しました。
　以上のとおり、今回の現場見学会および講演会は、CSG ダム、コンクリートダムの現場見学、さらに巡航RCD 工法、大規模地震に対するダム耐震性能照査についての講演会など非常に盛り沢山の内容でありました。残念ながら天候には恵まれませんでしたが、無事に行程は終了し、参加者からは満足の声が寄せられました。
　最後になりましたが、当見学会および講演会を開催するにあたって、国土交通省九州地方整備局嘉瀬川ダム工事事務所、佐賀県伊万里土木事務所、西松建設嘉瀬川副ダム出張所、戸田・中野・中島特定建設共同企業体の方々には現場対応にあたって多大なご協力を賜りました。また、お忙しい中にもかかわらず講演をお引き受け頂いた財団法人ダム技術センターの島本上席主任研究員、鹿島・青木あすなろ・松尾特定建設工事共同企業体の林所長に厚く御礼申し上げます。

１．開催期日 ： 平成21年11月13日（金）　（日帰り）
２．見学場所 ： 国土交通省九州地方整備局嘉瀬川ダム
　　　　　　　　　　佐賀県井手口川ダム
３．講演会場 ： ホテル龍登園会議室
４．参加人数 ： 45名（講演会のみの参加者も含む）

　※下表は事前の参加者名簿人数


５．講演会および見学会の内容　　　　

６．現地写真

ダム工学会九州地区連絡会会長 九州大学大学院 大塚教授によるご挨拶

財団法人ダム技術センター 島本上席主任研究員によるご講演

　
鹿島・青木あすなろ・松尾特定建設工事共同企業体　林所長によるご講演