ダム工学会 活性化小委員会 東北ブロック事務局
東北ブロックでは、平成21年度東北地区現地見学会を、平成21年10月22日に、昨年に引き続き胆沢ダム工事現場で開催し、無事終了したので報告します。
見学会当日は、快晴の秋空の下で46名の参加による見学会となりました。今年は、昨年見ることができなかった原石山、洪水吐き流入部、ダム堤体盛立て面の見学を行いました。
見学に先立ち、ダムサイト下流の『胆沢ダム学習館』で、胆沢ダム工事事務所伊藤所長より、「胆沢ダムの事業概要について」と題して講演を頂きました。講演では、胆沢平野の成り立ちから始まり、なぜ胆沢ダムによる洪水調節や利水補給が必要なのか、どのようにして築造するのかを、順を追って丁寧に説明して頂きました。帰りのバスの中でも、わかりやすかったと好評でした。
続いて行われた現場見学では、まず、ダム左岸側天端から堤体盛立工事状況全体を俯瞰するとともに、工事進捗状況等について具体的な数字のもとで説明を受け、胆沢ダムの概要を現地で確認することができました。次に、原石山では、材料の採取方法、使用している重機などの説明がありました。次に、洪水吐き流入部では、写真のように中にはいることができ、皆そのスケールの大きさに圧倒されていました。最後に、盛立て面では、コア材、フィルター材、ロック材の違いを肌で感じることができました。また、リップラップ材の施工の見事さに、“手で扱っているようだ”と感嘆の声が聞こえました。
その後、学習館に戻り、日本大学中村教授から「地盤構造物の地震時安定性の評価について」という演題でご講演頂き、原子力発電所の背後斜面をケーススタディとして、従来の応力基準による安定性評価に加え、変形・ひずみ等を取り入れた判断基準の考え方について、大変興味深いお話を頂きました。
また、今回の見学会でも昨年と同様、東北大学から梅田先生、京谷先生、5名の学生の方にご参加頂き、学官民の交流による情報交換、見学会の活性化を図ることができました。
最後に、今回の見学会に際して国土交通省東北地方整備局胆沢ダム工事事務所、胆沢ダム学習館および、原石山材料採取工事:大成・熊谷・間JV、堤体盛立工事:鹿島・清水・大本JV、洪水吐き打設工事:西松・佐藤・東急JVの皆様には、会場の準備や現地の案内をはじめ、多大なご協力を賜りました。厚く御礼申し上げます。
1.開催期日:平成21年10月22日(木)日帰り
2.見学場所:国土交通省 東北地方整備局 胆沢ダム
3.講演会場:胆沢ダム学習館
4.参加人数:46名
大学 |
国交省・県 |
ゼネコン |
コンサル |
合計 |
8 |
8 |
23 |
7 |
46 |
5.見学会及び講演会の内容
項 目 |
時刻 |
内容 |
備考 |
講 演 会
胆沢ダム『学習館』
にて
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11:15
〜12:00 |
「胆沢ダムの事業概要について」 |
国土交通省
東北地方整備局
胆沢ダム工事事務所
伊藤 邦展 所長
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現場見学
(胆沢ダム)
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12:40
〜15:10 |
学習館→左岸天端展望台→原石山→洪水吐き流入部→ダム堤体盛立て面→学習館 |
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講 演 会
胆沢ダム『学習館』にて
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15:15
〜16:20 |
「地盤構造物の地震時安定性の評価について」 |
日本大学工学部
土木工学地震工学研究室
中村 晋 教授 |
※本見学会は、土木学会認定CPDプログラム(4.8hr)です。
6.現地写真
左岸展望台での見学状況
原石山の見学状況
洪水吐き流入部の見学状況
ダム堤体盛立て面の見学状況
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