ダム工学会 活性化推進小委員会
中部・近畿地区ブロック幹事
平成22年度中部・近畿地区現場見学会及び講演会につきましては、下記のとおり、「関西電力奥吉野発電所」にて開催し無事終了しましたので、御報告致します。
【関西電力奥吉野発電所(純揚水・地下発電所)の概要】
・竣工:昭和55年
・最大発電出力、最大使用水量、有効落差
:120万kw、288m3/s、505.0m
・下部ダム:旭ダム
(堤高:86.1m アーチ式コンクリートダム)
※平成10年4月より、バイパス放流設備(幌型断面H3.8m×W3.8m 延長2,350m)を運用開始
・上部ダム:瀬戸ダム(堤高:110.5m ロックフィルダム) |
今回の見学会の参加人数は、事務局を含め45名で、例年同様多くの方々に参加をして頂きました。
当日は、午前10時に近鉄大和八木駅をバスで出発し、奈良県十津川村に位置する「関西電力奥吉野発電所」を目指し、約2時間半の移動となりました。国道168号線は、奈良県五條市と和歌山県新宮市を結ぶ山岳部の道路(通称「五新線」)であり、大型バスのすれ違いが困難な難所も数ヶ所ありましたが、バスは午後1時過ぎに無事奥吉野発電所のPR館に到着し、現地に直接移動された紀の川ダム統合管理所(近畿地整)と矢作ダム管理所(中部地整)の皆様と合流しました。
午後からはまず講演会を開催し、京都大学防災研究所の角教授から「排砂バイパスによる貯水池土砂管理」と題して、「排砂対策としての排砂バイパスの位置づけ、排砂バイパス事例、排砂バイパスの技術的課題、排砂バイパス下流の河川生態系」等に関する御講演を頂きました。続いて、関西電力奥吉野発電所の桑畑所長代理から「奥吉野発電所の概要」について、また、関西電力奈良支店電力設備室の土居マネジャーからは、「旭ダムバイパス放流設備運用実績」について、それぞれ御説明をして頂きました。
講演会後は2台のマイクロバスに分乗し、まず、旭ダムバイパス放流設備の堰・呑口部及び地下発電所内部の主要機器を見学させて頂きました。
その後、一旦PR館に戻り、質疑の時間をとりましたが、バイパス放流設備の維持管理に係わるテーマに関して活発な質疑が行われました。
最後の見学場所は下部ダムの旭ダムでしたが、あいにくの雨と霧でその全貌や下流のバイパス放流設備吐口が確認できず、非常に残念でした。 当日は、雨の中での見学会となり、当初計画していた瀬戸ダム(上部ダム)の見学から、急遽、地下発電所の見学に変更させて頂きましたが、地下発電所は日頃なかなか立ち入ることの出来ない施設であり、逆に興味深い見学会となったとの感想を多くの方々から頂きました。今後もダムに係わる様々な興味深い施設に触れることのできる見学会・講演会を企画して参りたいと思います。
最後に、特に、関西電力奥吉野発電所及び関西電力奈良支店の皆様には、悪天候の中、会場の準備や現地の案内をはじめ、多大なご協力を賜りました。ここに厚く御礼申し上げます。
<平成22年度 中部・近畿地区現場見学会及び講演会概要>
1.開催期日:平成22年11月22日(月) ※日帰り
2.見学場所:関西電力奥吉野発電所 旭ダムバイパス放流設備他
3.講演会場:関西電力奥吉野発電所PR館大会議室
4.参加人数:40名(講演会参加者45名)
大学 |
土木研究所 |
国交省 |
水機構 |
民間 |
合計 |
6 |
2 |
18 |
3 |
16 |
45 |
(講演会参加者も含む)
5.見学会及び講演会の内容
項 目 |
時刻 |
内容 |
講演者・説明者 |
講演会 |
13:05
〜13:45 |
排砂バイパスによる貯水池土砂管理 |
京都大学防災研究所
角 哲也 教授 |
施設説明 |
13:45
〜13:55 |
関西電力奥吉野発電所の概要 |
関西電力 奥吉野発電所
桑畑 好博 所長代理 |
施設説明
|
13:55
〜14:10 |
旭ダムバイパス放流設備運用実績
について
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関西電力 奈良支店
電力設備室
土居裕幸 マネジャー |
現場見学 |
14:10
〜16:25 |
旭ダムバイパス放流設備 堰・呑口 → 地下発電所 (途中10分程、質疑応答)→ 旭ダム(下部ダム) |
現地案内
関西電力奥吉野発電所
桑畑好博 所長代理
関西電力奈良支店
電力設備室 土居裕幸
マネジャー |
6.現地写真
図−1 奥吉野発電所のあらまし
写真−1 京都大学防災研究所 角教授による講演状況
演題:排砂バイパスによる貯水池土砂管理
写真−2 関西電力奥吉野発電所桑畑所長代理による
奥吉野発電所の概要説明状況
写真−3 関西電力奈良支店電力設備室土居マネジャーによる説明状況
内容:旭ダムバイパス放流設備運用実績
写真−4 旭ダムバイパス放流設備の堰・呑口部見学状況
写真−5 奥吉野発電所の地下発電所内
写真−6 旭ダム(奥吉野発電所下部ダム)
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