ダム工学会 活性化小委員会 東北ブロック事務局
東北ブロックでは、平成22年9月29日に、平成22年度東北地区現地見学会を「津軽ダム工事現場」で開催し、無事終了したので報告します。
見学会当日は、雲の間から晴れ間がのぞくまずまずの見学会日和で、31名の参加による見学会となりました。今回の見学会は、仙台から遠方でありますが、学生など若い方ができるだけ参加できるよう、費用のかからないバスで行くことにいたしました。したがって、仙台を8:00に出発し、現地に13:00、2時間ほどの見学ののち、仙台に20:00到着という強行行程になってしまいました。このため、津軽ダム工事事務所の谷田所長にバスに同乗していただき、配布した「津軽ダム工事事務所の事業概要」をもとに、津軽ダムの現在の状況をご説明いただき、見学の効率化を図りました。
バスの車内での説明では、津軽ダムの計画概要、事業の経緯、ダムサイト下流に位置する軟質岩盤などの難しい地質状況、既存の目屋ダムの機能を維持しながらの施工方法、モンモリロナイトを含む原石の判定方法、廃棄岩の有効活用、ダムの濁水対策、環境への配慮事項、ダムの経済効果、治水、利水面のダム効果など、順を追って丁寧に説明して頂きました。幅広い内容を判かりやすく説明して頂き、大変有意義なものでした。
続いて行われた現場見学では、まず、ダム右岸上流のビューパークから既設目屋ダム、骨材プラント等の仮設備を俯瞰し、ダム上流の状況を確認することができました(写真1,2参照)。次に、津軽ダム右岸天端の平場に移動しました。ここでは、天端標高より上部の右岸山体が原石山になっており、非常にコンパクトな現場であること、原石の賦存量にあまり余裕がない中での対応策、モンモリロナイト対策など、詳しく説明していただきました(写真3,4参照)。最後に、津軽ダム直上流に位置する目屋ダムの天端に立ち、目屋ダムの洪水吐きに接続した転流工、左岸側のコンクリート打設状況、同時に行われている右岸側の掘削状況などの施工状況を見ることができました(写真5,6参照)。
また、今回の見学会でも昨年と同様、東北大学から梅田先生、京谷先生、3名の学生の方にご参加頂き、学官民の交流による情報交換、見学会の活性化を図ることができました。
最後に、今回の見学会に際して国土交通省東北地方整備局津軽ダム工事事務所、及び間・西松JVの皆様には、配布資料の作成・説明、現地の案内をはじめ、多大なご協力を賜りました。特に、谷田所長には、お忙しい中、バスに同乗までしていただき、大変感謝しております。ここに、厚く御礼申し上げます。
1.開催期日:平成22年9月29日(水)日帰り
2.見学場所:国土交通省 東北地方整備局 津軽ダム
3.参加人数:35名
大学 |
国交省・県 |
ゼネコン |
コンサル |
合計 |
5 |
6 |
16 |
4 |
31 |
4.見学会及び講演会の内容
項 目 |
時刻 |
内容 |
備考 |
説 明 会
(バス車中)
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9:00
〜11:00 |
「津軽ダムの事業概要について」 |
国土交通省
東北地方整備局
津軽ダム工事事務所
谷田 広樹 所長
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現場見学
(津軽ダム)
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13:00
〜15:00 |
事務所→右岸ビューパーク→右岸天端→目屋ダム→事務所 |
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※本見学会は、土木学会認定CPDプログラム(4.0hr)です。
5.現地写真
写真1 右岸ビューパークでの見学状況
写真2 右岸ビューパークから目屋ダムを望む
写真3 右岸天端での見学状況
写真4 右岸天端から原石山を望む
写真5 目屋ダム天端での見学状況
写真6 左岸コンクリート打設状況
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