一般社団法人ダム工学会
 
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行事報告

 
平成26年度 中国・四国地区 現場見学会・講演会 開催報告

                
           一般社団法人ダム工学会 企画運営委員会
       活性化推進小委員会 中国・四国ブロック 事務局


 「平成26年度 中国・四国地区現場見学会・講演会」において、下記のとおり無事開催・終了いたしましたので、ご報告いたします。



1.開催期日: 平成26年11月7日(金) 
2.見学場所鳥取県鳥取市 国土交通省
          中国地方整備局 殿ダム(運用中)
3.講   演:「殿ダムにおける選択取水設備の効率的運用を
          目指したリアルタイム水質管理システム」
  講   師:鳥取大学大学院 准教授 矢島 啓 氏
4.参加人数: 34名(県、大学、コンサルタント、メーカー)

5.殿ダムの概要(出典:現場見学会説明資料)








6.見学会・講演会 開催報告
○見学会(鳥取河川国道事務所 殿ダム管理支所 殿ダム展示室) 
 現場を見学する前に、殿ダムについて殿ダム管理支所の支所長より説明をしていただきました。なお、ダム直下流の駐車場から殿ダム管理支所へ移動は、ダム右岸下流にあるインクラインに乗って移動しました。
 殿ダムは、岩石や土砂を積み上げるソーン型ロックフィルダム形式を採用し、ダム堤体を構成する岩石や土砂は、殿ダムの基礎掘削で発生する材料や袋川の河床に分布する材料などを使用しています。


ダム概要の説明の様子

当日のダムの様子

○見学会
 現場は晴れており、管理事務所からダム天端を歩きながら、ダムの上下流面、洪水吐、取水設備(コンプレッサー室と操作室)、監査廊の順で見学をしました。
 支所長より、ダムの上下流面については、上流面には袋川河床にあった玉石、下流面は基礎掘削等により発生した岩を用いて、表面を覆っていると説明があり、上下流の景観が異なることがわかりました。



【堤体上流面】

【堤体下流面】
 左岸側に設置されている非常用洪水吐きと常用洪水吐きの説明の後、減勢方式としてカスケード型減勢方式を採用していると説明をいただきました。

【非常用洪水吐きと常用洪水吐き】

【カスケード式減勢工】
 取水設備は連続サイホン式取水設備で、従来のものであれば、コンプレッサー室が取水塔に配置されるところを殿ダムでは、取水塔の規模を小さくする観点から、別棟にしている説明がありました。また、従来の取水設備より貯水池の水をさまざまな高さから取ることができると説明がありました。

【コンプレッサー室】

【取水設備操作室】


 その後、左岸天端より監査廊に入り、漏水量計や排水ポンプ等を見学することができました。


見学会の様子


○講演会

 
見学会の後は、鳥取大学の矢島准教授より「殿ダムにおける選択取水設備の効率的運用を目指したリアルタイム水質管理システム」と題して講演をしていただきました。

 選択取水設備は、富栄養化、濁水長期化、水温障害などの水環境問題が発生しやすいダムの貯水池から、冷水と温水をバランスよく取水することで、ダム下流の環境を保つことができます。しかし、ダム管理者が水量と水質を同時に考慮した選択取水設備の操作を行うことは難しいのが現状です。
 そこで、ARMSという選択取水設備の操作を支援するシステムの開発進めています。

 ARMSの特別機能として、過去(例えば、渇水期や洪水)における仮想ダム運用シミュレーションを行うことができます。しかし、最適操作シナリオを提案する機能は無いため、今後は提案のできるシステムの開発を進めるとのことです。


講演会の様子


 
今回の現場見学会及び講演会開催にあたり、お忙しい中、貴重な時間を割いて見学会の案内・説明等に対応していただいた鳥取河川国道事務所殿ダム管理支所所長、貴重なお話を聞かせていただきました鳥取大学矢島准教授、その他ご協力をいただいた皆様に、心より厚く御礼申し上げます。



 

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