一般社団法人ダム工学会
 
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行事報告

 

 

 

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第2回ダムを知るための若手技術者勉強会 開催報告

 

 平成26年8月25日(月)から26日(火)に、高知工科大学、和食(わじき)ダム、早明浦(さめうら)ダムにおいて、ダム工学会若手の会「第2回ダムを知るための若手技術者勉強会」を開催しました。
 ダム工学会若手の会では、ダムに関心のある人への情報提供のほか、若手技術者に対しての技術継承や技術者間における連携を目的として、これまで6度にわたって「若手技術者のためのダム見学会」を開催してきました。
 昨年度からは、ダム見学会とダムの基礎についての講座を合体させ、土木工学を勉強されている学生を対象にダムの魅力を知ってもらうために勉強会を開催しています。
 今回は、「2日間でダムがわかる」という趣旨で勉強会を開催し、中国・四国地方の3大学、1高専から21名の学生の皆さんに参加していただきました。


日付 時刻 内容 備考
8/25
(月)
9:50 JR高松駅集合  
13:00 高知工科大学集合  
13:10
〜14:40
「ダムの基礎知識講座」 講師:褐嚼ン技術研究所
大阪本社ダム部
技師長 武田 理 様
15:00
〜17:00
「”文理統合による
社会シミュレーションと
政策・経営ソリューション創造”
(工学⇔心理学⇔経済・経営学
の連携)」
講師:高知工科大学
那須 清吾 教授
18:00〜 各学校での研究発表会
意見交換会
土佐ロイヤルホテル
8/26
(火)
9:30
〜11:00
和食ダム見学 高知県
和食ダム建設事務所
13:30
〜15:00
早明浦ダム見学 水資源機構
早明浦ダム管理所
16:00 高知工科大学 一部参加者、解散
18:00 JR高松駅 参加者全員、解散





【8月25日(月):バスで高知工科大学へ】

  高松駅集合の参加者は、バスで高知工科大学に向かい、講師をはじめ、現地集合の参加者と大学で合流しました。当日、構内はオープンキャンパスの真っ只中で、夏休み中の高校生でたいへん賑わっていました。


@高知工科大学 キャンパス


【ダムの基礎知識講座】

 まずはダムの基礎を学ぼう!ということで、「ダムの基礎知識講座」と題して、株式会社建設技術研究所 大阪本社 技師長 武田 理様より講演をいただきました。
 ダムの構造や設計の留意点等をわかりやすく解説していただき、参加された学生の皆さんも初めて聞くダムの話に熱心に耳を傾けていました。


A武田 理様((株)建設技術研究所 技師長)


B講演の様子
      

【”文理統合による社会シミュレーションと政策・経営ソリューション創造”(工学⇔心理学⇔経済・経営学の連携)】

 次に、高知工科大学の那須清吾教授より「”文理統合による社会シミュレーションと政策・経営ソリューション創造”(工学⇔心理学⇔経済・経営学の連携)」と題しての講演をいただきました。
 四国・吉野川流域を対象に気候変動の影響を考慮した水循環、水利用、水環境の自然現象から社会現象に至る統合シミュレーションモデルの研究開発について紹介され、地元住民の合意形成に向けた地域の交流をねらいとして情報発信をしていること、さらに四国の水資源政策の適応策としては行政と市民、利害関係者の相互理解が重要である、という内容の話をしていただきました。
 今回は、参加者が中国・四国地方の学生でしたので、身近な問題としてとらえていただくことができたのではないかと思います。


C那須清吾教授(高知工科大学)


D講演の様子


【各学校での研究発表会】

 宿泊先の会場では、事前にお願いしていました各チームの研究の発表をしていただきました。限られた時間の中ではありましたが、コンクリート・防災に関する研究・卒研など多種多彩な発表内容であり、興味深く聞くことが出来ました。
 他の学校の研究チームの話を聞くのはよい刺激になり、学生の皆さんにとってもまたとない経験になったようでした。
 研究発表会後に夕食をとり、それぞれの学生の皆さんで交流を深めていただくこともできました。


E研究発表会の様子1


F研究発表会の様子2


8月26日(火):初めてのダム現場へ】

 2日目は、いよいよダム現場の見学です。
 今回は、高知県で建設されている「和食ダム」と完成して管理されている「早明浦ダム」の2箇所を見学しました。


【和食ダム現地見学】

 和食ダムでは、和食ダム建設事務所と共同企業体の職員の方から、事業概要やダム工事の説明を受け、現場見学を行いました。
 現在、現場では、転流工・掘削工・仮設備などの工事が行われており、ダムの本体工事の前段階の工事が進められていました。
 当日は晴天に恵まれましたが、現地は8月の台風11、12号の他、前線の影響で合計2000ミリを超す記録的な大雨があった後で、現場も被害を受けていました。現場の脇には、つぶれたコルゲートパイプが設置されており、出水の凄さを確認することができました。
 そんな中、左岸傾斜部でダム底部の基礎掘削面の岩盤を検査ハンマーで叩いて調べる体験をさせていただくことができました。
 学生の皆さんは初めてダムの建設現場を見ることができ、ダムへの興味が増したようにも見られました。


G岩盤を検査ハンマーで叩いてみる


H和食ダムでの記念写真


【早明浦ダム現地見学】

 早明浦ダムでは、管理所にてダムの概要について説明いただき、ダム堤体の見学を行いました。
 ダムの広い天端を移動し、堤体内部へエレベーターで降りて、監査廊を実際に歩いてみていただきました。
 ここでは和食ダムとは違い、完成した本物のダムの大きさに驚いているようでした。
 管理所職員の方からは、ダムの仕事は大変だが、やりがいがある仕事なので、若い人達もダムに興味をもって将来仕事としてもらいたい、とのメッセージをいただきました。


Iダム堤体内部の見学



Jダムの大きさを肌で感じる


K早明浦ダムでの記念写真


【最後に】

 建設中の和食ダムと、完成した早明浦ダムを見学していただき、洪水調節、発電、水道用水の確保などの重要な役割を果たしているダムについて、実物を歩いて見て感じていただくよい機会になったと思います。
 初めてダムに接した学生の皆さんも多かったようですが、この勉強会をきっかけにしていただき、今後ますますダムへの興味を持っていただけることを望みたいと思います。
 最後になりますが、会場を提供していただいた皆さま、講演をしていただいた皆さま、開催にあたってご協力いただいた皆さまに、あらためて御礼を申し上げます。

 

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