一般社団法人ダム工学会
 
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活性化推進小委員会 行事報告

 
-with Dam☆Night in Sendai 2016- 開催報告

                       一般社団法人ダム工学会 企画運営委員会
                       活性化推進小委員会 東北地区 仙石 昭栄
         
        


1.はじめに

 ダム工学会活性化推進小委員会東北ブロックでは、地域活動の一環として、東北大学青葉山東キャンパスの土木大講義堂101号において“with Dam☆Night in Sendai 2016”を行いました。WDNは東京での2010年の実施以来、各ブロックで活発に行われ大きな反響を呼ぶなか、東北ブロックでは、公益社団法人土木学会岩盤力学委員会の共催と一般財団法人日本ダム協会の後援を受け初の開催となりました。

2.WDN in 仙台の概要

■開催日時 平成28年12月2日(金)18:15~20:40     
■開催場所 東北大学土木大講堂101号 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6
■wDNプログラム
18:15:【開会の挨拶】 ダム工学会東北地区連絡会 会長 京谷 孝史 氏
18:20:【講演会】
   ◆夜噺1「ようこそ、モノクロの世界へ。~雪ダムの魅力~」 ダムマイスター kazu_ma 氏
   ◆夜噺2「津軽ダムを活用したダムツーリズムの取り組み」 青森県西目屋村長 関 和典 氏                 ~休憩10分~
   ◆夜噺3「ダム見学いろいろ」 ダムファン  HAL 氏
   ◆夜噺4「ダム貯水池水質のはなし」 東北大学大学院准教授  梅田 信 氏
20:35:【閉会の挨拶】 国土交通省東北地方整備局 副局長 安田 吾郎 氏
【総合司会】 加納 実 氏


 


3.講演
 ダム工学会東北支部長の東北大学京谷先生の開会のあいさつでWDNは開催宣言がなされ、次に紹介する4つの講演がありました。

◆夜噺1:ようこそ、モノクロの世界へ。~雪ダムの魅力~

ダムの写真で数々の賞を受賞されているダムマイスターkazu__maさんは、「東北といえば雪」とのテーマで、冬のさまざまな雪景色に佇むダムを紹介していただきました。
 “放水路の構造と降り積もる雪が作り出す奇妙なタコの姿(七ヶ宿ダム)”、“白銀に屹立する銀色の反射板(岩洞ダム)”、“エメラルドグリーンの湖水に映る雪山(鎧畑ダム)”、“雪中のライトアップで煌めく放流(月山ダム)”、“地吹雪のなか一瞬の日の光でダム天端にかかる幻想的な虹(河原子ダム)”、“過酷な雪山トレッキングでしかたどり着けない高地で俯瞰した朝日山地祝甕山に抱かれる“ながい百秋湖”と“長井ダム”の自然と構造物の織りなすハーモニー“。雪に沈むモノクロの世界でしか見ることのできないダムの美しい姿は、東北では「冬にこそダムツアー」との思いに駆られたお話でした。

ダムマイスター kazu_maさん

◆夜噺2:津軽ダムを活用したダムツーリズムの取り組み

試験湛水を終え今年10月竣工した、今東北で最もホットな津軽ダムの西目屋村長の関さんから、世界自然遺産の“白神山地”、“津軽ダム”そして“目屋渓谷”を有機的に関連させる総合的なツーリズム戦略のお話をいただきました。エコツーリズム(白神山地、渓谷)とインフラツーリズム(津軽ダム)を結び付け、ダムと自然を満喫する滞在型のレクリエーションやぜいたくなサービスを受けながら自然を楽しむキャンプ「グランピング」などを提供するとの構想です。東北整備局副局長の安田さんの閉会挨拶にあった東北地方整備局で行われているインフラツーリズムへの情報発信としての端末アプリ整備(スマホアプリ「ガイド東北」)とリンクするお話でした。
 ダムツーリズムとして、水陸両用バスを配備したとの話に会場からは、どよめきが起こり、Q&Aタイムに、「水陸両用バスに乗るとプレミアムダムカード等がもれなくもらえるようにとたらどうか」との提案など活発な意見交換がなされました。

西目屋村長 関 和典さん

◆夜噺3:ダム見学いろいろ

「行く・みる・感動する」をコンセプトに、日本全国、北海道稚内から沖縄県石垣島まで、ついにはアメリカまでダムを巡る楽しさが伝わるお話でした。
 “ダムダムカード配布開始に合わせた北海道道立ダムめぐり”、“以前一人ではたどり着けずリベンジで仲間と辿りついたのはいいものの帰りに熊と遭遇した真川ダム”、“悪路で車の底を擦りながらたどり着いた大津岐ダム”、“日本東端・西端・南端・北端ダム制覇は北方領土にもダムがあったらしく北端制覇は不明で残念”、“お勧めのダム見学としてJ-POWERの株主優待施設見学の紹介”、等々数々のディープな話題にダムファンのダム愛がひしひしと伝わるお話でした。
 結びの「はじめは一人でダムカード集めをしているうちに、ブログ等を通じて仲間がだんだんと増えていき、ダムファンとの交流が楽しくなった。」との言葉に、会場のあちらこちらで頷くファンの姿が印象的でした。 

ダムファン HALさん

◆夜噺4:ダム貯水池水質のはなし

 さすがダムファンの集い、冒頭の貯水池輪郭でダムを当てる3つのクイズで、三春ダム、釜房ダム、浅瀬石川ダムと会場からすべて正解がだされたことに脱帽でした。ここから、3つのダム共通の問題として、貯水池の富栄養化による水質低下が提示されました。貯水の水温上昇が富栄養化を促進することから、地球温暖化がその原因の一つとしての可能性あること。将来的に対策を施さないと現在の倍程度に水質低下が生じるとの予測されるものの、適応策を行うことで水質低下が防げるとの見解が示され、適応策の取り組みが進んでいることとの講話で、最新の貯水池の水質に研究成果がわかりやすく丁寧にお話していただきました。

 
東北大学大学院准教授 梅田 信さん
4.おわりに

各講師の話と総合司会の加納さんの軽妙な進行や参加者と双方向で情報共有できる「Clica」のテスト利用(アンケート、コメントの収集ツール)、そして何よりも来場されたダムを愛する方々の思いが、寒い外とは対照的に会場は終始暖かいムードに包まれ、「また東北でWDNを」との合言葉で再会を期して、会は無事終了しました。最後に、WDN in 仙台を開催するにあたり、ダム工学会、土木学会岩盤力学委員会、国土交通省東北地方整備局、日本ダム協会、御講演者の皆様など、関係各位に多大なご協力を頂きましたこと、厚く御礼申し上げます。

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