一般社団法人ダム工学会
 
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行事報告

 

 

活性化推進小委員会 行事報告

 
【with Dam☆Night in Sendai 2019】
開催報告


活性化推進小委員会 東北地区委員 冨澤 大
 


1.開催当日

 2019年11月8日、立冬を迎えた仙台で、今年もダムをこよなく愛する方々が集うwith Dam☆Night in Sendai が開催されます。会場は今年も、学生・研究者のみなさんが行き交う東北大学キャンパス内です。
 立冬迎えた仙台は、肌寒くコートを羽織っている方も多く見受けられる中、ダムに熱い思いを胸に秘めた皆さんが、東北大学キャンパス内の講義室に100名余りの方々がお集りになりました。
 ダムファンを迎えるのは、長年、 ダムを愛し、情熱を傾けられてこられた5名のダムの鉄人。今宵はどんな夜噺を聞かせていただけるのでしょうか。年に一度、仙台でのダムの祭典の始まりです。

写真1 キャンパス内の様子  写真2 会場の講義棟 
写真3 受付場所の状況  写真4 掲示されたダムカードマップ 



2.概要およびプログラム

1) 日時:令和元年11月8日(金)18:00~21:00
2) 会場:東北大学工学研究科 人間・環境系教育研究棟 
     土木大講義室
3) プログラム


 ■開会挨拶  ダム工学会活性化小委員長 川崎秀明 氏
 ◆夜噺1   「日本文明とエネルギー -ダムの底力―」
  NPO法人日本水フォーラム代表理事 兼 事務局長 竹村公太郎 氏
 ◆夜噺2   「発電用利水ダムの運用について」
  東北電力㈱ 土木建築部 土木建築業務課長 高橋修 氏

 ◆夜噺3   「千五沢ダム再開発事業の概要について」
  福島県 土木部 河川整備課 ダム担当 主任主査 小野田慎 氏
 ◆夜噺4   「ダムの魅力を再開発」
  ダムマイスター 星野夕陽 氏
 ◆夜噺5   「東北地方におけるインフラ維持管理の取組み」
  東北大学大学院 工学研究科・研究課長補佐(地域連携担当) 久田真 氏

 ■閉会挨拶

          司会    元 東北放送アナウンサー 若生哲旺 氏



3.開会挨拶

 国内、海外と多くのダムに関わってきた方です。  
各プレゼンテーターをご紹介いただき、WDNスタート!!

写真5 川崎秀明 氏 

【夜噺1】「日本文明とエネルギー -ダムの底力―」
                        竹村公太郎 氏

写真5 竹村公太郎 氏 


 首都大学東京客員教授も務められ、後進の育成にも力を入れてらっしゃいます。
 「100年前は都市周辺にも水田があった。現代で水が溢れるんは当たり前。」、「治水の原則は水位を下げること!」竹村先生がダムに関わられてきた多くの知識と経験を熱弁されておりました。また、江戸時代の治水インフラにも触れ、「東京の治水インフラ99%は江戸時代に造られた。」とおっしゃり、日本最初のスーパー堤防建設を、歌川広重の浮世絵を交えてご説明いただきました

【夜噺2】「発電用利水ダムの運用について」
                      高橋修 氏

 東北電力管内の全ての発電用利水ダムを一手に管理・運用されている方です。
 クイズを交えながら、ユーモアたっぷりに東北電力の発電用利水ダムを詳しく紹介していただきました。発電するためには、落差が必要で、ダムで水が流れる落差を生み出し、発電量を多く生み出せるようにしているとのこと。また、利水ダムは治水機能も果たし、人々の暮らしの安全に貢献していること。洪水や油の流出事故への対処を想定した訓練などを行っており、徹底した安全対策を講じていることなどをご紹介くださいました。

写真7 高橋修 氏

【夜噺3】「千五沢ダム再開発事業の概要について」
                         小野田慎 氏

写真8 小野田慎 氏 


 全国でも珍しいラビリンス型へのダム改修中の福島県千五沢ダムに携わられている方で、工事の現況についてご説明していただきました。供用しながらの改修工事のため、年に4か月しか施工できなくて、工期のやりくりが大変である上に、台風などの自然災害の影響で施工が困難な状況になってしまうことなど、日頃の苦労を話されておりました。しかし、改修することで、流量の調節がしやすくなり、治水機能の能力アップにつながり、地域の方々の安心・安全な生活を守る意義深いダム改修工事に関わられているのだと感じました。

【夜噺4】「ダムの魅力を再開発」      
             星野夕陽 氏

 これまで300回ダム見学会に参加されてきた方で、ダムファンの変遷についてお話いただきました。近年のダムファンの変遷は、インターネットの発展とともにダム情報の発信形態が変化してきた歴史でもあります。テキストだけのホームページ作成で情報発信していたのが、今やyoutuberとしてダムの情報発信を行っている方が出てきているとのこと。そういったダムファンの草の根的な活動が実を結んでか、ダムの見学会は、昔はまばらな参加者だったのが、今や申込開始当日に締め切られることが当たり前になってきていて、ダム熱の高まりを感じました。

写真9 星野夕陽 氏

【夜噺5】「東北地方におけるインフラ維持管理の取組み」
                              久田真 氏

 コンクリートのスペシャリストである久田先生。この日も、コンクリートの話題からスタート。ダムを見るときは、全景やダムについてではなく、ダムを構成するコンクリートにまず目が行ってしまうそう。
 また、全国には維持管理が必要な橋が66万橋あり、それを一つの橋につき、192人で支えなければならず、地方都市になると一つの橋につき、数十人で支えなければならず、地域格差が生じている。ましてや、少子高齢化が進む日本では実態を踏まえたインフラ政策が必要とのことです。また、インフラ・マネジメント・プラットフォームの構築やインフラ維持管理に関するベンチャー設立などインフラ維持管理のため積極的な活動を行っておられます。

写真7 久田真 氏

4.最後に

今回も第4回に相応しい楽しく興味深い夜噺を聞かせていただきました5名の皆様に感謝申し上げます。聞いていた多くのダムファンの皆様は、時には笑い、時には大きく頷き、夜噺に聞き入っておりました。最後に参加者全員で『ダムLOVE ポーズ』をして、当会を終了しました。来年、多くの皆様と、また楽しい一夜を過ごせることを心待ちにしております。

写真11 会場内の様子 

with Dam☆Night in Sendai 2019 レポートPDFダウンロード
 

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