ダム工学会九州地区連絡会では、今年度で6回目となる「with Dam ★ Night in Kyushu」を、令和元年11月2日(土)に福岡市中央区のTKPガーデンシティPREMIUM天神スカイホール・メインホールBにて開催し、無事終了しましたので御報告致します。
「with Dam ★ Night(以降はwDNと記載します。)」は、一般の方々とダム技術者・研究者やダムファンとの交流の場を提供することで、ダムに関する基礎知識や情報を社会に広く適切に伝え、ダムに親しんでもらえるように、平成22年(2010年)より始まりました。その後、wDNは大きな反響を頂き、現在は日本全国で活動するまでになっています。
九州地区では、平成26年度より開始し、「一般の方々にダムの魅力をより分かりやすく・親しみやすく」をキーワードに、福岡市の中心地である天神地区でwDNを開催し、盛況のうちに無事終えることができましたので、以下に実施した概要をご報告いたします。
●開催日時
開 催 日:令和元年11月2日(土曜日)
開催時間:15:00~17:50(懇親会は18:00から)
●開催場所
wDN開催場所:西日本新聞会館16階メインホールB
(福岡市中央区天神1丁目)
懇親会開催場所:西日本新聞会館16階ウエストルーム
(福岡市中央区天神1丁目)
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開場位置図
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●wDNプログラム
『wDN会場:メインホールB』
15:00 |
【開会挨拶】 |
ダム工学会九州地区連絡会
会長 |
矢野 真一郎 |
15:05 |
【来賓挨拶】 |
ダム工学会
会長 |
門松 武 |
15:10~ |
【講演(1)】 |
昼のダムと夜のダムinさつま町 |
鹿児島県さつま町 商工観光
PR課 |
下土橋 潤一郎 |
【講演(2)】 |
ダムをVR/ARによって疑似体験してみよう! |
(株)CTIグランドプランニング |
新山 悠紀 |
【講演(3)】 |
小石原川ダム次世代建設生産システム |
鹿島・竹中土木・三井住友特定建設工事
共同企業体
小石原川ダム本体建設工事事務所
所長 |
山脇 健治 |
【講演(4)】 |
長崎・佐世保の歴史的なダム |
ダム愛好家 |
星野 夕陽 |
16:55~ |
【イベント(1)】 |
2018九州ダムフォトコンテスト審査発表 |
ダム工学会九州地区連絡会
wDN実行委員会 |
酒井 匠 |
17:15~ |
【イベント(2)】 |
2019 wDN in Kyushu 「ダムjackpot」 |
FM福岡DJ & パーソナリティー |
Kaede |
17:45~ |
【閉会挨拶】 |
ダム工学会九州地区連絡会
wDN実行委員会
委員長 |
太田 達雄 |
【展示品】 |
ダムフォトコンテスト参加作品、全国ダムカードパネル、ダムツーリズムパネル、建設ダム関連パネル |
『懇親会会場:ウエストルーム』
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開会前の会場状況
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司会:kaede氏
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講演中(子供さんも参加頂きました)
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フォトコンテスト
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3.開会・来賓挨拶
今年は、ダム工学会 九州地区連絡会会長の矢野真一郎による開会挨拶を行いました。
また、ダム工学会の門松会長より来賓挨拶を頂きました。
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開会挨拶;
ダム工学会九州地区連絡会
矢野会長 |
来賓挨拶;ダム工学会 門松会長 |
3.講 演
今回のwDNでは、4講演を行いました。講演の題目および御講演者は、以下のとおりです。
題 目 |
講 演 者 |
昼のダムと夜のダム
inさつま町 |
鹿児島県さつま町 商工観光PR課
下土橋 潤一郎 |
ダムをVR/ARによって
疑似体験してみよう! |
(株)CTIグランドプランニング
新山 悠紀 |
小石原川ダム
次世代建設生産システム |
鹿島・竹中土木・三井住友特定建設工事共同企業体
小石原川ダム本体建設工事事務所
山脇 健治 |
長崎・佐世保の歴史的なダム |
ダム愛好家
星野 夕陽 |
(1) 昼のダムと夜のダムinさつま町
最初の講演は、「昼のダムと夜のダムinさつま町」と題して、鹿児島県さつま町商工観光PR課の下土橋潤一郎さまから、鶴田ダムやさつま町について紹介されました。
鶴田ダムの概要や再開発、ダムの特徴についてご説明頂きました。
また、ダム内部見学会やダムカレー、TSURUDA DAM NIGHTなど、鶴田ダムを中心とした地域活性化の取組を紹介頂きました。
下土橋さんの奥さまも、「ダムコンシェルジュ」として鶴田ダムで見学者の案内をされているとのことで、ご夫婦で鶴田ダムを愛されていることが感じられました。
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下土橋さまによる講演状況 |
(2) ダムをVR/ARによって疑似体験してみよう!
次の講演は、「ダムをVR/ARによって疑似体験してみよう!」と題して、(株)CTIグランドプラニングの新山悠紀さまより、下筌ダムを題材にVRやARの取組事例を紹介されました。
VRへの取組みとして、UAVを用いて下筌ダムで撮影した動画を、360°自由に見まわすことが出来るVR動画として作成したものを説明頂きました。また、紙面上のQRコードにスマートフォンをかざすことで、三次元の下筌ダムが表示されるというARへの取組みを紹介頂きました。
一般の来場者の方々が理解しやすいよう、専門的な難しい話ではなく、大変分かりやすい説明をして頂きました。講演後VR、ARとも、来場者の方がそれぞれVR、ARを楽しまれていました。来場者の方に、ダムにより興味を持ってもらうきっかけを作って頂けたのではないかと感じました。
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新山さまによる講演状況
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(3) 小石原川ダム次世代建設生産システム
続いての講演は、「小石原川ダム次世代建設生産システム」と題して、鹿島・竹中土木・三井住友特定建設工事共同企業体 小石原川ダム本体建設工事事務所所長の山脇健治さまから、現在建設中の小石原川ダムについて紹介されました。
小石原川ダムの諸元やICT施工事例、建設機械の自動化施工システムを、動画を交えながら紹介され、ICTの導入により期待される効果(建設業界が魅力ある業界へ)などを説明頂きました。また、講演の最後には、小石原川ダムJV食堂ダムカレーをはじめ、地元のダムカレーを「本当のダムより先に竣工した」と笑いを交えながら紹介頂きました。
ダム建設に関する現場技術の研鑽・向上、また建設業界を魅力あるものするという熱い思いを感じるお話を頂きました。
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村上さまによる講演状況
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(4) 長崎・佐世保の歴史的なダム
最後の講演は、「長崎・佐世保の歴史的なダム」と題して、ダム愛好家の星野夕陽さまから、これまでに見てこられた多くのダムから、特に気に入られている長崎のダムについて紹介されました。
長崎には平地が少ないこと、大きな河川が無いことといった地形的なことからダムの必要性をお話しされ、その後、星野さまが特に気に入られている各ダムについて、ダムが抱えている歴史背景なども交えかなり詳しく、マニアックな内容で紹介頂きました。
星野さまが実際に見てこられたダムを、実際の写真を見ながらかなり詳細に説明頂きましたので、ダムが好きな方たちでもかなり聞きごたえのある講演でした。
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星野さまによる講演状況
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5.イベント
(1) ダムフォトコンテスト審査発表
wDNの開催に合わせて「2019九州ダムフォトコンテスト」と題して、九州地区のダム写真の募集を行いました。また、募集写真の中から、当日参加者の投票により入賞写真を選出し、wDN実行委員会の酒井匠委員より、審査発表を行いました。
九州ダムフォトコンテストは、より多くの方にダムに親しんで頂き、ダムの役割や自然との調和について知って頂くことを目的として実施しており、本年は、19作品の応募を頂きました。
本年の最優秀賞は、「春のにぎわい」のタイトルで、下流の桜並木とその向こうに見える寺内ダムを撮影された村上幸司さまが選ばれました。
優秀賞は「新ゲートの活躍」のタイトルで、台風5号に伴い防災操作を行う鶴田ダムの状況を撮影されたkazu_maさま、「椎葉ブルー」のタイトルで、上椎葉ダムの堤体と鮮やかな貯水池を撮影された方(匿名希望)が選ばれました。
受賞者には、会場にて表彰盾の目録を授与し、盾・賞品は後日お渡しすることとしました。
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フォトコンテスト発表状況 |
審査発表状況(酒井委員) |
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最優秀賞
(村上 幸司さま:当日欠席) |
優秀賞表彰状況
(kazu_maさま) |
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優秀賞表彰状況
(匿名希望:当日欠席) |
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村上さま;最優秀賞作品「春のにぎわい」
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Kazu_maさま;優秀賞作品「新ゲートの活躍」
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匿名;優秀賞作品「椎葉ブルー」 |
(2) 2019wDNinKyushu[ダムjackpot]
ダム工学会九州地区連絡会wDN実行委員会の山田徹委員とFM福岡パーソナリティーのkaedeさまの司会で、九州のダムを紹介しながらのビンゴゲーム「ダムjackpot」を行いました。ビンゴゲームの賞品は、ダム工学会九州地区連絡会、九州のダム施工現場およびダム管理者の有志から、ダムにゆかりのある品々をご提供頂きました。
今年は、「重機ダイキャストモデル」に始まり、ミニチュア重機、枡、ペーパークラフトや重機がデザインされた文房具など様々な賞品にしてみました。
会場にいる全員が参加してのゲームとなり、ダムとそれに合わせた数字が発表されるたびに歓声が上がって、温かい雰囲気のなか、大盛況のゲーム大会となりました。
6.閉 会
ダム工学会 九州地区連絡会wDN実行委員長の太田達雄による開会挨拶を行いました。
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閉会挨拶
(wDN実行委員会 太田委員長) |
登壇者とwDN実行委員会 |
7.懇親会
懇親会では、一般の方をはじめ、ダム事業の関係者、ダム愛好家など多くの方々に参加頂き、語らい・交流の場を提供することができました。また、今年は九州地方外から「wDN
in Kyushu」参加のために福岡にこられた方もいて、とてもうれしく思いました。
会場では、たくさんの方に登壇していただきダムへの熱い思いを語っていただきました。
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懇親会の状況 |
8.さいごに
今年度に開催したwDN in Kyushuは、一般の方々を招いて、ダムについてより分かりやすく、親しみやすく知って頂きたいという趣旨のもとで実施いたしました。そのため、多くの方々がお越しになれるよう、プログラム内容の工夫はもとより、開催日時を昨年同様土曜日の午後に設定するとともに、開催会場も交通の便が良い福岡市内の中心(天神)としています。これらの工夫もあって、参加者には一般女性の方や家族連れの方も多く見受けられ、大変嬉しく思っています。
広報面では、昨年度と同様に広報誌への案内掲載や、後援頂いている各機関へのHP掲載を依頼しました。また、FMラジオ(LOVE FM)にも出演する機会を頂き、wDNの開催やダムの魅力を紹介することができました。更に、今年は新聞記事としても掲載頂き、より多くの方にwDNを知って頂くことができたと思います。その甲斐あって参加者は少しずつ増加しており、地道に改善を図りながら、広報してきた努力が実を結び始めてきたと実感することができました。
なお、wDN当日に実施したアンケートでは、「今回で3回目の参加。いつも楽しいです。」「ダム愛好家の方の話が毎回面白いので、続けていって欲しい。」「2回目になりますが、他の地域に比べてイベントやプレゼンが手厚く楽しいです。来年も楽しみにしております。」といった嬉しい意見も頂いております。
九州地区でのwDNの開催は、まだまだ試行錯誤の段階ではありますが、このようなイベントを通して、ダムへの関心の広がりはますます大きくなると感じています。
これまでの経験を活かし、ダム工学会九州地区連絡会では、今後もwDN開催を始め、ダム分野の発展に繋がるイベントを積極的に企画・実施していきたいと考えています。
これまでの経験を活かし、ダム工学会九州地区連絡会では、今後もwDN開催を始め、ダム分野の発展に繋がるイベントを積極的に企画・実施していきたいと考えています。
最後になりましたが、wDN in Kyushuを開催するにあたり、(一社)ダム工学会、(一社)九州地方計画協会、国土交通省九州地方整備局、福岡県、福岡市、(独)水資源機構筑後川局、(公社)土木学会西部支部、
(一社)建設コンサルタンツ協会九州支部、(一社)日本建設業連合会九州支部、(一財)日本ダム協会/ダム工事総括管理技術者協会、LOVE FM、御講演者の皆様など、関係各位に多大なご協力を頂きましたこと、厚く御礼申し上げる次第です。
令和元年度 with Dam ★ Night in Kyushu 開催報告 |
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