1.はじめに
一般社団法人ダム工学会 若手の会では、「ダム工学会の活性化と若手技術者に向けたダム理解向上を目的として、今後を担う若手技術者や学生の方が参画することができる企画の立案・運営」を行っています。
令和6年度は、ダム建設から様々な角度での管理・活用について2回に分けて学ぶ企画としました。
第1回目となる「第9回 若手技術者のためのダム見学会」では、9月18日(水)から9月19日(木)の2日間にかけて、福井県今立郡池田町にある足羽川ダムの建設現場、福井県大野市にある真名川の現場見学会を開催いたしました。昨年同様1泊2日の宿泊をし、ダムを見学してきました。 東京大学、東京工業大学、金沢工業大学の3大学より15名の学生にご参加いただきました。 また、大学の先生やコンサルタント、都道府県庁職員などの応募もあり、昨年よりも多くの一般の方々にご参加いただきました。 ダム見学会当日は、ダムを管理されている近畿地方整備局足羽川ダム工事事務所(以降、ダム管理者)、や真名川ダム管理支所の皆様にご協力いただき、大変有意義なものとなりました。
本稿は、ダム見学会の開催内容について報告するものです。
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写真1 足羽川ダム |
写真2 真名川ダム |
2.行程
今回の若手技術者のためのダム見学会は、下記の行程で開催しました。
○1日目(9月18日(水))
時刻 |
内容 |
備考 |
12:40 |
金沢駅 集合 |
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13:00 |
金沢駅 出発 |
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13:00〜14:20 |
金沢駅 → 福井駅 |
貸切バスにて福井駅へ移動 |
14:00 |
福井駅 集合 |
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14:20 |
福井駅 出発 |
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14:20〜15:05 |
福井駅 → 足羽川ダム |
貸切バスにて足羽川ダム移動 |
15:05〜17:05 |
足羽川ダム見学
(約2時間)
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17:05〜17:50 |
足羽川ダム → 宿泊先 |
宿泊先:福井パレスホテル |
17:50〜19:20 |
講義 |
内容:足羽川ダム事業・工事説明 |
19:20〜 |
夕食・懇親会 |
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○2日目(9月19日(木))
時刻 |
内容 |
備考 |
1班7:00〜8:30 |
朝食
※8:30チェックアウト
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8:30〜10:30 |
◆グループワーク発表
(約2時間) |
テーマ「洪水時以外でのダムの有効的な活用方法(観光)の検討」 |
10:30〜11:00 |
宿泊先 → 道の駅 |
貸切バスにて移動 |
11:00〜12:00 |
昼食 道の駅 禅の里 |
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12:00〜13:00 |
道の駅 → 真名川ダム |
貸切バスにて移動 |
13:00〜14:00 |
真名川ダム見学
(約1時間)
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14:00〜15:20 |
真名川ダム → 福井駅 |
貸切バスにて移動 |
15:20〜17:00 |
福井駅 → 金沢駅 |
貸切バスにて移動 |
3.足羽川ダムの建設現場見学
足羽川ダムの「ダムギャラリーあすわ」にて、足羽川ダムの事業概要や工事内容についてダム管理者様よりご説明いただきました。
その後、バスで足羽川ダムの建設現場へ移動し、ダム管理者様及び施工業者様にはダムを間近に見ながら工事の進捗状況や各施設の機能・特徴をご説明いただき、ダムに対する理解を深めることができました。
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写真3 説明状況(建設所内) |
写真4 説明状況(建設現場内) |
また、コンクリート製造設備をはじめとするダムの施工設備も見学しましたが、多くの学生はダムの施工設備を見ることが少ないため、その規模の大きさに驚いていました。ダムの上流側に移動した際には、まだ稼働していませんでしたが足羽川ダムのダム本体施工の目玉であるプレミアムベルコトコンベアーを見ることもでき、貴重な経験となりました。
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写真5 上流から望む足羽川ダム |
写真6 プレミアムベルトコンベアー |
4.講座
足羽川ダム建設現場の見学後、足羽川ダム工事事務所の橋爪翔事務所長様より「足羽川ダム建設事業」について、清水・大林特定建設工事共同企業体の平塚毅所長様より、「コンクリートダムにおけるサイクルタイムの重要性」について、(株)安藤・間の多寶徹所長様より「水海川導水トンネル 工事説明」について、各30分ずつご講義をいただきました。
その講義は、普段インフラに関わる仕事に携わっている若手の会委員らも新鮮な印象を受けるものでした。
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写真7 足羽川ダム工事事務所 橋爪様 |
写真8 講義の様子 |
5.グループワーク
次に、グループワークを実施し、足羽川ダムの特徴でもある流水型ダムに焦点を置いた「流水型ダムにおける洪水時以外でのダムの有効的な活用方法」をテーマにそれぞれが考えたアイデアを発表し合いました
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写真9 グループワークの様子 |
写真10 発表の様子 |
「ネーミング」「ターゲット」「活用方法のウリ」「検討していて難しかった・悩んだポイント」等、それぞれのグループで考え、どの発表も斬新なものばかりであり、学生達が熱意をもってグループワークに取り組んでくれたのが伝わってきました。また、学生達は日頃接点のない方々と交流することもでき、非常に有意義な時間となったと思います
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写真11 発表ポスター |
写真12 食事会後にダム式万歳をしている様子 |
6.真名川ダムの現場見学
真名川ダム管理支所では、真名川ダムの概要についてダム管理者様よりご説明いただきました。参加者からの積極的な質問も出され、参加者のダムへの興味関心がこの2日間でより高まったことが感じられました。
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写真13 真名川ダムのコンジットゲート |
写真14 ゲート室内 |
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写真15 真名川ダム天端より |
写真16 真名川ダム下流を望む |
7.おわりに
コロナ禍後、2回目の宿泊を伴う企画となりましたが、ご協力いただいた皆様や参加者のご協力もあり、無事企画を終えることができました。
若手の会では、今後もダムの最新の動向に着目し、ダム見学会や勉強会を開催しつつ、多くの皆様にダムについて興味を持っていただけるような活動を継続していきたいと考えております。
最後になりますが、今回ご協力いただいた近畿地方整備局の橋爪事務所長様をはじめ職員の皆様、清水・大林JVの平塚所長様、(株)安藤・間の多寶所長様、若手の会実行委員の皆様、今回、ご協力いただいた皆様に改めてお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
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写真17 真名川ダムでの集合写真 |
写真18 一日目懇親会後に撮影 |
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