1.開催の概要
FCC(Forum Civil Cosmos)では、土木学会近畿支部の活動の一つとして、一般社会と土木の間の「新しい気づき」を模索するため、土木に関わる話題を取り上げ、本音で自由な議論ができる新しい交流の場として、年数回“どぼくカフェ”を開催している。一方、ダム工学会では、20周年特別企画として、昨年度からダムの魅力を発見・発信し、市民とダムファン、ダムプロフェッショナルの交流を通して、ダムに関する基礎知識や情報を一般社会に適切にわかりやすく伝えるため、“with Dam★Night”を開催している。今年度は東京での開催に加えて関西地区での開催を企画構想していたところ、関係者の尽力によりFCCとの共催が実現し、12月8日京都大学総合研究3号館共通155号室(約200名収容)で“どぼくカフェ・with Dam★Night in Kansai”として「カタカナドボクへの誘い/ダムってなんやねん?」と題する催しが行われた。
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図-1 事前配布用パンフレット
2.講演、パネル討論
17時15分受け付けが始まると、事前申し込みをした人、当日参加の人が続々と集まり、18時の開始時点では100名を超えるまでになった。顔ぶれは一般、学生がおよそ半々といったところだろうか。
18時から第一部が始まった。本日の出演者全員が最初から壇上に座るというスタイルで、親しみやすい配慮がうかがえた。FCCの代表である建山和由立命館大学教授の開会挨拶に続き、トップバッターとしてFCCの代表幹事の京都大学の高橋良和准教授が、「どぼくカフェって?」と題して、土木カフェの生い立ち、これまでの活動の紹介、今回の開催の意気込みなどが、ユーモアを交えて熱く語られた。
次に、「雀の社会科見学帖」でおなじみの方も多いダム愛好家である夜雀さんとダムのプロ中のプロである京都大学の角哲也教授による「ダムって?」と題したトークが行われた。夜雀さんが、豊富なダムの写真を使ってダムの形式、ダムのしごと(目的)ダムの魅力を説明、角教授がそれに補足説明をつけるという、始めて人にもよくわかる話であった。特にダムのしごとでは、水を消費する/しないでダムの目的を分類しており、プロでない愛好家ならではの発想に感心させられた。また、ダムの目的として、海外ではレクリエーション(略号R)があり、わが国でも“R”を作るべきと主張されていた。近年国土交通省のダムはじめ各地のダムで訪れた人にのみ配布されるダムカードの説明に加え、最近の新しい形式である台形CSGダムでダムカードを作ったら右下のダム形式の略号は何になるのだろう?と疑問を投げかけていた。台形だからD?、それともCSGだからC?。
3番目は、「ダムによる洪水調節の現場」と題して、水資源機構の神矢弘川上ダム建設所長が実績を交えて、実際のダムでの洪水調節操作の方法や苦労した話があった。ほぼ同じコースを通った伊勢湾台風と比較して、今回は下流の町を洪水被害から守り切ったという生々しい話をされた。
第二部は、第一部の出演者の他に吉本ダム部の竹若元博(バッファロー吾郎)さんが加わりパネルディスカッション「私の気になるダム、知ってほしいダム」が行われた。まず、進行役の高橋先生が竹若さんを紹介された。先生と竹若さんは高校の同級生だそうである。続いて竹若さんが、自己紹介を兼ねて、なぜ自信がダムファンになったかの説明があり、吉本ダム部のメンバーを紹介した。続いてパネリスト一人一人がスキなダム、人に知ってほしいダムを説明、竹若さんが(本業の)ツッコミを入れ、会場は和やかなムードに包まれた。夜雀さんは、珍しいダムとして鋼製ダムや、美しいダムを写真で紹介、角教授はダムのプロとして、中筋川ダムの階段状の越流部など形が変わったダムや設計で工夫があったダムを紹介、神矢所長は、ご自身が建設に関わった奈良俣ダムの姿の四季の変化を美しい写真で説明された。楽しい時間は早く過ぎるもので、あっという間に予定の1時間が過ぎ、20時10分に閉会した。途中退場する人はほとんどなく、盛会であった。
3.まとめ
一般の方々にダムの正しい理解を得るには、さまざまな形で、さまざまな場所で、あらゆる年齢層を対象として、地道に丁寧に説明を繰り返すことがきわめて重要である。そういった意味から今回の近畿地区での“with
Dam★Night”の開催は、非常に有意義であったと思う。
最後に、今回の開催に当たり、ご尽力されたFCCの幹事の方々、及び活性化小委員会各位に心より感謝申し上げます。
表−1 FCC・ダム工学会共催
「どぼくカフェ・with Dam★Night in Kansai」の全体プログラム
図−2 日刊建設工業新聞 2011年12月12日
4.現地写真
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写真1
会場全体の様子
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写真2
高橋先生によるオープニング |
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写真3
熱心に耳を傾ける参加者
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写真4
京都大学の学生も大勢参加 |
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写真5
第二部から 「バッファロー吾郎」竹若氏も参加
(左から、高橋准教授、竹若氏、夜雀さん、角教授、神矢所長)
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写真6
「バッファロー吾郎」竹若氏の自己紹介
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写真7
ダムカレーも紹介 |
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写真8
岡本副会長による閉会挨拶
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