ダム工学会"with Dam☆Night"2017開催報告
川崎秀明(活性化小委員長 正会員 ダム技術センター
北川正男(活性化小委員 正会員 日本ダム協会)
表-1に今回の全体プログラムとチラシの表面を示しますが、今回のプログラムは、メッセージ性をあまり出さずに単純に楽しむような内容にしたのも、一般の方の参加の大幅増につながったのかもしれません。このようにダムに関する社会的な興味が増すことが、我々ダム工学会の活性化活動の目的でもあるわけです。
3.各講演内容の紹介
最初に開会の挨拶として、ダム工学会 魚本健人会長から、「昨年度よりも2~3割増の入場数、抱夢(ダム)のスタッフベスト等」の紹介とともにダム工学会活動の意義と日頃のご支援への感謝等の言葉を頂きました(写真4)。
夜噺1.「私の愛するダム」 佳(ダムマイスター)講師(写真5)
岐阜県在住で評判の女性語りべの佳(よっしー)さんの東京初登場です。講演は、前半は、全国の重力アーチダムを次々と画面に映して愛する所以を面白く判りやすく、しかし現場に行くと曇ってしまう苦労等を話していただきました。後半は、自宅から片道1時間ほどの丸山ダムに絞って、年何十回も行く状況、月ごと(週ごとに)に変化するまたは不動の姿を百枚以上の画像でマニア特有のこだわりで見せていただきました。会場は爆笑の渦であり、特に女性の方には大うけでした。
夜噺2.「プロカメラマンが教えるダムの撮り方」 庄嶋 與志秀(写真家)講師(写真6)
タレントさん相手の撮影の多い庄嶋講師ですが、ダムへのこだわりは十数年前からの筋金入りのダム好きでもあります。講演は、青空や放流を取る秘訣(粘りと晴男?)、ドローン画像の素晴らしさと落下リスク、滝沢ダム、奈良俣ダム、下久保ダム、深城ダム、宮ヶ瀬ダム、黒部ダム等の撮影時の苦労話をいただきました。とにかく、青空とマッチした堤体の画像がとことん美しく、その連続に感動しました。カメラ・レンズ等の道具へのこだわりをメーカー名まで挙げられて、会場は一気に大笑いでした。
夜噺3.「ダムカード、30分で基本から最新まで」 三橋さゆり(国土交通省)講師(写真7)
今や国民的コレクションとなったダムカードの創始者として、2007年7月の発行開始とその誕生逸話(発案自体はダムファンの素朴な願いから生まれた、それを形にした行政的な苦労等)、その後の大発展について丁寧かつ総集編的に話していただきました。なるほど、現在のダムカードはいかに作られ、ブームはこうして保たれ、増発の勢いはまだ続くのだと納得しました。実は単なるダムの宣伝だけでなく、各ダム管理所のドアをコンコン叩いてダムカードを求めることが職員と市民とのふれあいの場等となっている事実も感動ものです。
夜噺4.「八ッ場ダムの今とインフラ観光『やんばツアーズ』」 由井修二(国土交通省)講師(写真7)
数年前の事業仕分けの対象となり一時中止状態となり、一躍全国に大議論を巻き起こした八ッ場ダムは現在本体工事の最盛期に入りつつあります。今回は、長い地元交渉の経緯と現工事の状況を八ッ場ダム工事事務所の副所長の油井講師からご紹介いただきました。また、八ッ場ダムが観光会社と組んで仕掛けている様々なインフラ観光をご紹介いただきましたが、観光客の入場数が激増している状況に、会場の皆様も自分もぜひ行きたいと思ったことでしょう。
夜噺5.「DAM ☆LOVE」で無限大!ダム巡りの楽しみ方」 炭素(ダムマイスター)講師(写真9)
豊稔池のダム汁、急な公示で放流終了まで24時間も無いにかかわらず津軽ダムを始め各地のダムでの試験湛水に駆けつける、鹿野川ダム(放水路トンネル貫通式、ウォーキング)、上椎葉ダム(点検放流の見学会)のように国内で最も辺鄙な場所であっても駆けつける等のダムマニア根性をまさに説明いただき、会場は驚きと爆笑で何度も沸き返りました。ダムマニア同士でこれらのダム情報を頻繁に交換し、あおられてその日の午後から仕事をお休みしてダムを見に行くこと、これはもう尊敬に値します。
緊急企画 20:55:ダム天端の片隅で「DAM☆LOVE」を叫ぶ! 上杉周大(タレント)講師(写真10)
昨年の尾山講師の紹介で「DAM☆LOVE」が最後の締めの言葉として一挙に広域化しましたが、その元祖である北海道の有名テレビタレントであるブギウギ専務こと、上杉講師の急きょ参加です。今回の主な話は、真のDAM☆LOVEの発案者が某社のT氏であることを調べ上げ、ドッキリ突入したビデオ紹介であり、これには会場は大爆笑となりました。その後は、一昨年の北海道with
Dam Night以来、仲良しとなったダム王子がステージに上がり絶妙の掛け合いトークとなり、最後は、会場全員で一斉に「ダム、ラブ」を唱和しポーズを決めるという、最高の盛り上がりとなりました。
4.まとめ
今回の月島の会場定員は240名ですが、入場者数は170名(来客150名+出演8名+スタッフ12名)で昨年より2割ほど増加しました。中でも一般の方が大半を占めるようになり、特に女性の方(全体の3割強)の数が増えたのが特徴です。また、開演前の軽食・飲食コーナーでは、昨年にも増して和気藹々の雰囲気が満ちていました。ただし、好評のあまり飲み物が先に無くなったのが反省材料です。 なお、今回はスタッフ全員が白いメッシュベストを着用して会場対応を行いましたが、胸にDAM☆LOVE、背に抱夢(夢を抱く、ダム)と印刷したこのベストは判りやすく好評でした。
末尾の写真は、笑顔にあふれる会場の様子を撮ったものです。
今年も昨年に続いて全国で幾つかのwith Dam Nightが開催される予定であり、これらの開催も楽しみです。読者各位も気楽にダム工学会ホームページを覗いてみて下さい。
最後に、講師各位と協賛団体各位(日本ダム協会、建設コンサルタンツ協会、ダム工事総括管理技術者会等)と事務局として支えたダム技術センターの協力に大いに感謝するとともに、各種段取りを担当頂いた皆様およびご支援頂いた関係各位に対して心からの謝意を表します。また、今回も動画中継(USTREAMとニコニコ生放送)を担当されたタカネ様、テレビ収録の札幌テレビ放送(株)様に感謝申し上げます。
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