ダム工学会主催の第27 回ダム現場見学会の第1日、新丸山ダムの後に見学した中野方生活貯水池について報告致します。
中野方生活貯水池は、木曽川水系中野方川の岐阜県恵那市中野方町笹場地先に多目的ダムとして建設中のダムで、中野方川総合開発の一環をなすものです。
ダムは重力式コンクリートダムとして、高さ 41.7m 、総貯水容量411,000m3 、有効貯水容量 371,000m3 で洪水調節、流水の正常な機能の維持及び水道用水の供給を目的とするものです。
ダム工事は、平成 14 年 1 月から平成 14 年 11 月まで基礎掘削を行い、その後、平成 16 年 7 月には本体打設を終了し、現在、来年 1 月から予定されている試験湛水に向けて天端構造物、管理設備、管理所設置工事を行っている最中でした。
現地見学に先立ち、岐阜県恵那建設事務所及び JV 事務所から、中野方ダムの事業概要、施工概要および基礎処理工の見直しについてご説明いただきました。中野方ダムの基礎処理は、当初設計では掘削面全面に 5 m格子でコンソリデーショングラウチングを行うものでしたが、平成 14 年 4 月にグラウチング技術指針が改定されたのを受け、基礎処理工事開始までの 9 ヶ月で全面的に基礎処理計画の見直しを行ったとのことです。この結果、当初計画と比べ、孔数を約 70 %低減したとのことでした。また、施工設備については、当初計画では、本体打設を 13.5t 軌索式ケーブルクレーンで計画していたが、主索径間が長く、かつ左右岸地山が低いことから、ダム上流側に作業構台を設け、クローラクレーン 3 台(河床部 450t 、右岸部 150t 、左岸部 100t )を用いて打設したそうです。また、天端高欄をプレキャスト化することにより、約 1 ヶ月の工期短縮が可能となったとのことです。
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