図-1当別ダムの位置(パンフレットより)
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(1)当別ダムの計画及び工事概要(4)現場
当別ダムの標準断面図を図−2に、ダムの諸元を表−1に示す。ダムの目的は、洪水調節、流水の正常な機能の維持、かんがい用水、水道用水の供給である。当ダムは台形CSGダムに平成17年構造変更し、平成20年度から本体工事に着手しており、平成24年度の完成を予定している。
平成21年10月末現在の進捗率は、堤高で20m、堤体積約342,000m3で進捗率48%、全体で51%(事業費ベース)である。
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図-2 ダム標準断面図及び諸元
写真-1 ダム施工全景
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(2)当別ダムの地質
当別ダムの地質は新第三紀の望来層(シルト、砂岩)を基盤として、これを覆って段丘堆積物、崖錐堆積物が分布している。
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図-3 当別ダムの地質
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(3)台形CSGの施工
1) CSG材製造
CSG材は、基礎掘削に伴い発生する20m程度の厚さで堆積する河床砂礫を母材としている。これにより、基礎掘削工事と材料採取工事を兼ねることができ、大きなコスト縮減が図られている。また、材料採取に係わる残土処理も少なくなり、環境への影響を低減できる。
また、上流締切を当初計画より上流へ移動する計画上の配慮により母材採取量を確保して、設計の合理化を図っていた。
CSG材製造時の粒度管理では、−80mmが3%と、母材である河床砂礫は細粒分が多いことから、グリズリなどによるオーバーサイズの除去は原則行っていない。
また、単位水量管理では、母材の自然状態の単位水量170kg/m3に対して、3ヶ月程度仮置きすることでCSG単位水量100〜140kg/m3まで低減できる。
CSG材の貯蔵は、一次ストックを3日分27,000m3、二次ストック1日分9,000m3を確保し、高速連続施工に対応している。
2) CSGの製造
CSGの製造は、製造能力250m3/hを有するSPミキサを2基配置しており、高速連続製造による工程短縮を図っている。
製造管理では、打設開始から3ヶ月までは、1時間に1回の粒度試験と大型供試体試験を実施していたが、データ蓄積により、現在では試験頻度を減らしている。
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写真-2 CSG製造設備(SPミキサ)
写真-3 CSG大型供試体
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3) CSG運搬、打設
CSGは、55tダンプにより堤体へ直送しており、CSGの打設は、敷き均しを28tブルドーザ、転圧は11t振動ローラにより行っていた。
現在までの打設実績は、日平均4,000m3/日、日最大8,000m3/日であり、月最大は117,800m3(今年11月)を予定している。
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写真-4 CSG運搬状況
写真-5 CSG敷き均し状況
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細部施工では、台形CSGダムの特徴である保護コンクリートに施工するCSG法肩締固めの施工、プレキャスト施工が行われており、高速施工に対応した機械配置や施工が行われていた。また、先進的なIT技術を取り入れ、CSG敷き均し、転圧では厚さや転圧回数をGPSにより総合的に管理していた。
現在、最大打設月相当で最盛期にあたり、CSGは機械施工が主体となっており、コンクリート工事との工程上の調整(マッチング)が現場施工で苦労している点であることを企業体の方より説明を頂いた。
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写真-6 プレキャスト型枠設置状況
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写真-7 CSG施工状況 |
(4)現場での質疑応答
現場では、前例のない高速施工が求められており、従前の品質確認方法とは相違がある場合、その調整に発注者、施工者ともに苦労されている点の説明を受けた。
また、個別の細部施工技術では、先進的な技術を取り入れており、現場で創意工夫を積極的に実施している点について活発な意見交換が行われた。
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写真-8 現場事務所での概要説明及び質疑
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