一般社団法人ダム工学会
 
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行事報告

五ヶ山ダム見学記

 

1.はじめに
 見学会2日目(平成26年11月14日)は、福岡県五ヶ山ダム建設事務所が建設中の五ヶ山ダムを見学させて頂きました。五ヶ山ダムは博多港へ流れる那珂川に建設中で、福岡市からおよそ1時間のところに位置し、上流には脊振ダム、下流には南畑ダムがあります。五ヶ山は、@洪水調節 A流水の正常な機能の維持 B水道用水の確保 C以上渇水時の緊急補給の4つを目的に建設中です。今回見学させて頂いたときは、巡航RCD工法を用いた堤体のコンクリート打設中でした。

2.五ヶ山ダムの概要

位     置

福岡県筑紫郡那珂川町大字五ヶ山

形     式

重力式コンクリートダム

堤     高

102.5m

堤  頂  長

556m

堤  体  積

約935,000m3

サーチャージ水位

EL413.4m

総 貯 水 容 量

4,020万m3

湛 水 面 積

1.3km2


3.現地見学会
 現地到着後、福岡県五ヶ山ダム建設事務所、五ヶ山ダム堤体建設JV工事事務所及び五ヶ山ダム骨材製造工事作業所から五ヶ山ダムの工事概要・目的等の説明を受け、その後、コンクリート打設中の堤体及び骨材採取の現場を見学させて頂きました。  堤体のコンクリート打設には巡航RCD工法を用いており、工期の短縮と工費の低減、工事の安全性を確保しながら施工していました。巡航RCD工法は、RCD内部コンクリートを先行して打設し、ブルドーザ等で敷均し・転圧を行います。この際に、打ち止め型枠等は必要なく重機による法面の形成を行います。次に、堤体表面の耐久性が求められる外部コンクリートをRCD内部コンクリートと分離して、後から打設し、振動機で締固めます。大型重機を用いて効率よく施工させている様子が見てとれました。 コンクリートの現場への搬入は、ケーブルクレーンを用いてバケットにコンクリートを入れて運ぶ方法と、SP-TOMを用いて回転する筒によりコンクリートを骨材分離させることなく運ぶ2つの方法を用いていました。写真は、巡航RCD工法を用いた施工風景(写真1)とSP-TOM(写真2)になります。

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写真1 巡航RCD工法施工風景 写真2 SP-TOM

骨材採取場は、ダムサイトより上流の近場にあり、ベルトコンベアを用いて骨材製造設備を経て、堤体工区のバッチャープラントへ運ばれています。骨材のもとになる原石採取にはベンチカット工法を用いています。ベンチカット工法は、掘削する箇所に平らな地盤を作り、クローラードリルで穴を掘り(穿孔)、火薬を詰めて発破する方法です。発破は1日1回行います。発破した原石は必要に応じて小割や選別を行い、良質な材料のみを骨材製造設備に運搬します。写真は、原石掘削場(写真3)と骨材製造設備(写真4)になります。

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写真3 原石掘削場 写真4 骨材製造設備

4.おわりに
 福岡県五ヶ山ダム建設事務所、五ヶ山ダム堤体建設JV工事事務所及び五ヶ山ダム骨材製造工事作業所の皆様には、ご多忙の中、会場の準備や現場案内を頂きましたことを、ここに深くお礼申し上げます。

 [電源開発株式会社 水力発電部 西日本支店 南九州電力所 宮宅 敏哉]

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