一般社団法人ダム工学会
 
会員サイト お問い合せ リンク集 入会案内 学会概要 機関誌 研究活動 委員会活動 イベント情報
学会概要



会長挨拶
歴代会長
発足趣意書
組織概要
定   款


 

 

   
 

会長挨拶

 

平成27年度
一般社団法人ダム工学会 会長

濱口 達男 (はまぐち たつお)

株式会社ニュージェック 副社長執行役員


会長あいさつ

 ダム工学会は、四半世紀にわたる伝統を持ち、わが国のダム技術の発展に大きく貢献してまいりました。この度、理事会におきまして第22代会長に選出され、大変光栄に存じますとともに、その役割の重大さにかんがみ、誠に身の引き締まる思いであります。
 小生、広い意味でのダム事業には結構長い年月携わってきましたが、そのほとんどは事業の上流側の調査・計画畑であり、ダムの現場は経験したことがなく、とてもダム屋とは呼べるような経験はありません。まさに微力ではございますが、精一杯取り組みたいと存じますので、皆様方の一層のご支援、ご指導をお願いする次第であります。

 さて、小生とダムとの係わりについて少し述べさせていただきますと、最初は、昭和45年の夏、学生実習の時でした。北海道開発局の十勝ダム調査事務所(中村靖治所長)で、コンクリートダムの基本三角形計算の課題が与えられ、機械式手回しのタイガー計算機を使い計算した記憶があります。
 翌年、建設省採用となり、近畿地方建設局に配属されました。ここでは本局で、淀川、紀ノ川、九頭竜川などの水系全体の治水利水計画や、個別ダムの予備調査を担当しました。また、淀川ダム統合管理事務所にも1年間勤務したので、ダム管理を少しだけかじったことになります。
 その後、平成元年から4年にかけて、岐阜県庁で河川課長をつとめましたが、長良川河口堰の反対運動が政治も巻き込んだ社会的事件となり、小生も河口堰事業(長良川の大規模浚渫)の受益地域の立場で、その対応に追われました。
 木曽川水系の問題については、その後、中部地建の木曽川上流の所長、河川部長という立場で、河口堰、徳山ダムに関わりました。地域の方々を始め関係の方々のご尽力の結果、これらは立派に完成しました。そして、運用に入って、特に洪水防御面で大きな効果を発揮していることを聞きますと、感慨深いものがあります。
 中部地建の後、国土庁の水資源計画課長として、省庁再編まで4年弱の間、全国の水資源調査やウォータープラン、水資源機構のダム事業の基本となるフルプランの改定を担当しました。再度、ダム事業の上流部門に携わったことになります。
 小生とダムとのかかわりは、この位にしまして、新会長としての考えを述べたいと思います。

 ダムの建設・管理の様々な側面に直接関係されている皆様にとりましては、ダムをめぐる環境、ここ数年の明るい方向への大きな変化は肌で感じておられることと思います。また、近年の凶暴化する豪雨・大出水に対して、既設のダム貯水池の能力をフルに発揮させて大災害を未然に防いだ事例も、数多くの実績が積み上がってきています。
 いわば、ダムバッシングの嵐から、やや小春日和へと変わってきた状況でありますが、将来は決してバラ色と言うわけではなく、多くの課題が横たわっています。
 新規事業が減少する中、どのようにして技術を維持・発展させていくか、膨大な既設ダムのストックについて、どのようにしてその機能を維持し、あるいは時代の変化に合わせて更新していくか、また、気候変動への具体的対応はどうするのか、等など、さまざまなものがあります。
 ダム工学会におきましては、これまで、調査研究委員会を中心とした研究活動から多くの成果をあげて参りました。今後とも、学官民の様々な分野の研究者・技術者で構成されているという特性を生かし、学際的・総合的アプローチにより、ダムをめぐる工学的課題に取り組んで参りたいと思っております。
 岡本前会長は、3つの重点項目として、大学研究者との共同研究、戦略的な広報活動、中長期の学会のあり方の検討をあげ、精力的に活動してこられました。これらはいずれも重要な課題であり、引き続き推進してまいります。特に、広報活動は、一般の方々にダムに対する正確な理解を深めていただく上で大事であります。
 これらに加え、ダムの計画面、上流側の課題を整理したいと考えております。ここ20年以上、新規のダム計画立案はほとんど止まっている一方、気候変動の問題や、社会・経済環境の変化、河川環境や流砂系に関する知見の蓄積など、考慮すべき新しい要素も出て来ていますので、この当たりで一度整理をしたら、という考えです。関係分野の方々からなる検討組織を設置して検討したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 ダム工学会は今年、25周年の節目の年を迎えます。幸い、ダムを取り巻く環境が好転している中、関係者のご努力により会員数も持ち直しの兆しが出てきました。ダム工学会が安定的に存続・発展し、一層大きな役割が果たせるよう、微力ではありますが努めたいと存じますので、会員及び関係各位のますますのご支援ご協力をお願いする次第であります。

以上、簡単ではございますが、新会長の挨拶とさせていただきます。

  ページトップに戻ります
当ダム工学会ホームページの無許可でのLINKの転用・書き込み・営利目的な使用等は固くお断りしております。COPYRIGHT(C)2004 Japan Society of Dam Engineers ALL RIGHT RESERVED