会長挨拶
|
|
|
|
ダム工学会
会長
足立 紀尚 (あだち
としひさ)
京都大学名誉教授
財団法人地域地盤環境研究所理事長
|
「互教・互学」
この度、設立から16年目を迎えますダム工学会の会長を仰せつかり、誠に光栄に存じますとともに、責任の重大さを痛感しております。思い起こしますと、十数年前ダム工学を対象とした個人会員による学会を目指す研究会の設立を、建設省が中心となり進めることになりました。その際、設立準備会の幹事長を私が、副幹事長を東京大学の小長井一男先生が務め、建設省、通産省、農林省、電力、建設、メーカー、コンサルタント等々の本当に多くの方々のご支援により、ダム工学研究会が発足いたしました。ダム工学研究会の委員長には岡本舜三先生が就任され、その後平成6年5月10日にダム工学会と名称を改め今日に至ったわけであります。
私は学会の活動におけるキーワードとして次の4つが大切であると常々考えております。それは、「地域」、「教育(互教・互学)」、「知の集積」と「知の発信」であります。
まず、「地域」でありますが、ダムは全国に存在し、会員も各地域におられるわけです。「互教互学(互いに教えあい、互いに学びあう)」のためにも、それぞれの地域における学会活動がもとより必要であります。昨年は、活性化委員会の活発な活動の一環として、北海道、東北および九州で研究会・講演会や見学会を開いていただきました。本年はそれら三地域に加え、中部・関西、ならびに中国・四国における活動を開始する予定であり、成功させたいものと願っております。
このような、地域における活動に加え、本部主催の研究発表会、講習会、学術講演会、見学会等により学会が教育、すなわち「互教・互学」の大切な場であると位置づけ継承し実施して参ります。
「知の集積」も、これまで受け継がれて参りました学会の重要な責務であります。学会では5つの研究委員会が活動いたしており、知の集積に務めております。また、学会は、価値のある知を評価・選別し、積極的に表彰する姿勢が大切であります。
「知の発信」も、学会が実行すべき重要な役割であります。「ダム工学」の発刊、ホームページの充実、また、研究発表会、講習会、シンポジウム等を開催するとともに、さらに社会における啓発の場を設けるなどの新たな試みをも実施する予定であります。
平成17年度、すなわち梅田会長時代に、上に述べましたような学会の活性化に向けた施策の策定と実行、さらには賛助会員システムの強化による財政基盤を確立していただくなど、学会の基盤と今後の路線を明確に構築していただきました。
私は、会員の皆様はもとより、副会長、理事、評議員、さらには事務局、これはダム技術センターにすべて依存しており大変心苦しいのですが、これら皆様方のご協力、ご支援を仰ぎ、昨年度に確立された路線を継承して、学会の運営に努めて参る所存であります。よろしくご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げ、就任のご挨拶といたします。
|