一般社団法人ダム工学会
 
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会長挨拶

 

平成19年度 ダム工学会 会長

山内  彪 (やまうち たけし)

株式会社間組 特別技術顧問


会長あいさつ

 この度、第14代のダム工学会会長に選任されました。初代の岡本舜三会長以降、歴代の会長諸兄のご尽力によりここまで発展してきました工学会ですので、その責務の重さをひしひしと感じているところです。ところでダム工学会も当初の研究会時代を含めますと発足後約17年になりますが、ここでその設立当時の様子を振り返りながらあらためて学会の次の発展の目標の参考にいたしたいと思っております。

 ご承知のようにダムは水理学や応用力学等の土木工学全般はもとより機械工学、電気工学、岩盤工学等、他の工学部門も含めてのまさに総合工学ともいえる技術によって支えられている構造物です。一方でダムは自然の大地の上にそのサイトの地形、地質や自然現象に立ち向かいながら築造されるきわめて即地性の高い構造物でもあります。したがってダムは計画、調査、設計、施工といった各段階で常に現地との整合性を考えながら一貫した共通認識のもとにその仕事が進められなければなりません。このためわが国においてはダムの設置者である官公庁、地方自治体、電力会社等のいわゆる施主が常に中心となってその事業が進められてきていました。しかしながら、昭和30年代に入ってダムの事業量が増え、また各分野での技術が高度化するにつれ、調査、設計にはコンサルタント、施工には建設会社といった民間の力が数多く加わることになり、またその分担割合も徐々に高まってきました。その中でもとくに調査や設計にあたっては施主とコンサルタントが一体となって進める必要があり、基本的な技術上の認識においてその間の意思疎通は不可欠の事項でした。

 そのようなことから旧建設省の開発課では昭和50年代からダムコンサルタント各社との間で随時懇談形式の会議を開いて、さまざまな課題についての議論を交わしていました。その後施工の分野でも同様の議論をする必要性がでてきたことから、これにダム施工のゼネコンも加わっての議論が続けられていたのですが、参加者が次第に増え、また議論すべき課題も多くなったことから機能がうまく発揮できず、昭和62、3年頃には新たな別の組織を設けて対応してはどうかといった意見がでてきました。例えば土木学会の中にダム分科会のようなセクションを設けてもらえないだろうかというような意見もありましたが、先述のようにダムは土木以外の工学分野との関連も多く、またその当時から環境についても従来の水質や騒音といったことだけでなく、動植物保護や自然環境保全等の課題も多くなっていたことから応用生態学等その学際的な範囲もさらに広がりつつあり、その辺も考えての議論もでていました。とにかく大学の先生方の意見もお聞きしながらもっと議論してはどうかといったところで、私はしばらくその議論から外れていました。

 それから2、3年経った平成2年の末になって、ダム工学研究会が発足したので会員になって欲しいとの連絡がありました。早速入会したのですがその設立趣旨はほぼ当初議論していた通りで、関係する各学問分野、学際分野はもとより、学、官、民といったあらゆる分野からも参加できるまさに幅広の研究会となっていて、よくこれだけの範囲の人々が参加できるような組織体がこの短期間にできたものだと思い、設立に関係された大学の諸先生や各行政機関や民間会社の方々の努力に感服した次第でした。今後もその発足の趣旨を活かした活動ができるようなダム工学会となるべく、私も微力ながら尽くしてまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。


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